「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司①

シンプルにLove

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~だから今日も I'm so happy~


 あたしって実は凄く甘えた女なのかな。
 昔はそんなことを思ったことは全然なかったんだけど、ここのところよくそんな風に思うことがある。
 以前の道明寺は、あたしがそんなことを悩む暇がないくらいに暑苦しい愛情表現をしてくる男で、うちの中だろうと外だろうと、恥ずかしいくらいに密着してきたり、いちゃついてきたりで、そんなあいつに困ってたしなめて、怒って…時には喧嘩になって、それが普通だった。
 でも今は、気が付けば、あいつを目で追ってしまっている自分がいる。
 …道明寺のマンションに二人で住むようになってからだよね、たぶん。
 マンションに帰ってきて、ネクタイを緩めながら横をウロついている道明寺を、今日もついつい見るともなく見守ってしまっていた。
 さすがにそんなあたしの視線にヤツも気がついたらしく、怪訝に首を傾げている。
 「…なに?」
 「へ?」 
 「へじゃねぇだろ。さっきから、お前、ずっと俺のこと睨んでねぇ?」
 どうやらガン見しすぎて、睨んでいると勘違いされたらしいのにはガックリ。
 「牧野?」
 「別に睨んでないし。…たださ、今日は珍しく帰ってくるの早かったな、って思っただけ」
 ここのところ朝も夜もなく、下手をすれば同じ部屋に住んでるはずなのに、一日中顔を見ないことも稀じゃない。
 …そりゃ、前々から忙しかったは忙しかったけどさ。
 でも、同棲する前には、もっと道明寺も努力してくれていたように思う。
 それほど会うことができなくても、できるだけ会えるように努力してくれていた。
 その努力に、たしかなこいつからの愛情を感じることができて、不満に思うことなんてなかった、それなのに。
 …少しでもあたしとの時間が欲しいから同棲したんじゃなかったっけ?
 愚痴るつもりはないのに、ついついワガママな気持ちが駄々を捏ねる。
 本当はあたしにだって自覚がある。
 同じところに住んでいて、毎日じゃなくても一応は顔を合わせて、たぶん同棲前よりは一緒にいれているはずなのに…なんだかひどく寂しい。
 だってね、前はさ、あたしが会いにくると本当に嬉しそうに笑って、決まって抱きしめたりキスをしたりしてくれてたのに、今じゃ、「ただいま」と言って「お帰り」と挨拶だけを交わして、さっさと書斎や寝室にこもってしまうのが日常。
 …もちろん、あたしだって理解してるつもり。
 家に帰ったからって、呑気に女といちゃついていられる立場の男じゃないんだ、こいつは。
 仕事を持ち込んだりもしてるし、しょうがないんだってさ。
 でも、でもねって…そんなふうに思っちゃうんだよ。
 「……の?」
 「え、な、なに?」
 うっかり道明寺を見つめたまま、ぼんやりしてしまって会話の内容をスルーしてしまっていた。
 ちょっとだけムッとした顔をして、でも時間の無駄だと思ったのか、そのことはあっさりと流して、道明寺があたしの座っていたソファの横へとドサっと腰を下ろしながらもう一度言い直す。
 「だから、明日明後日と香港に出張」
 「え?明日?」
 「そ、たぶん香港から、そのままシンガポールに飛ぶことになるから、帰ってくるのは来週末か」
 「……海外出張」
 それだって特別に珍しいことじゃない。
 珍しいことじゃないけど…。
 …今週の土日は、道明寺もお休みがとれそうだから、一緒に買い物にでも行こうって話してたのに。
 道明寺の仕事の都合があるからしっかりと約束したわけじゃないし、あの時はあたしの方が意地を張って、「たまのオフくらい体を休めるか、F4の誰かとリフレッシュに出かければ?』とか勧めたくらいに軽くいなしていたから、道明寺が忘れていても不思議ではなかった話だ。
 けれど、あたしとの約束をあっさり忘れて、埋め合わせを申し出てさえもくれないことがひどくつまらなくて、哀しくて…無意識のうちに恨みがましく道明寺を見上げてしまっていた。
 「だから、なんだって」
 別に…とはもう言えなかった。
 「……香港とかシンガポールって、土日も仕事なの」
 「あ~、パーティが入ってたけど、それくらいで今週は体力的にもキツかったから、西田が大してスケジュール入れねぇようにしてたか」 
 「そう、それなら良かったけど」
 じゃあ、その空いているスケジュールの間、こいつは何をしてるんだろう。
 たぶん、この部屋にいる時と大して変わらない一日、いつもよりはのんびり起きたり、家でもできる仕事をゆったりと片付けたり、そんな日を過ごすんだろう。
 …でも、そこにはあたしはいない。
 そりゃそうだよね。
 あたしなんかがいても邪魔になるだけで、なんの仕事の助けにもならないんだもん。
 「パーティは一人で参加?それとも、秘書さんと?」
 「たしか…」
 あるいは仕事関係の付き合いで、どこかの会社の社長令嬢や政治家のお嬢様なんかをエスコートするのかもね。
 それで、ゴシップのネタにされちゃったりするんだろうな。

シンプルにLove

 そして、必ず知りたくなくてもそうしたことは間接的にあたしの耳にも入るんだよね。
 もちろん、あたしも大真面目に道明寺を疑ってるわけじゃない。
 一途すぎるほどに一途な男だから、そう簡単にあたしから気持ちを移したり浮気をするような男じゃないし、あたしも信じてる。
 それでも気にならないわけじゃなかった。
 …だって、あたし、こいつのことが好きなんだもん。
 自分が質問しておきながら、記憶を探る道明寺から視線を反らせて、膝上の雑誌へと視線を戻す。
 「…………」
 「…………」
 「………?」
 いつまでたっても、『たしか…』の続きを話そうとしない道明寺を怪訝に仰ぎ見て、ニヤリと笑った得意げな顔に出くわした。
 「な、な、なによ?」
 ニヤニヤニヤ。
 「へぇ~、ふ~ん、ほぉ~」
 わざとらしい口調が憎ったらしい。
 見透かしたような顔があたしの小さなヤキモチをからかって、得意げに笑っている。
 …なんかムカつく!
 我が物顔であたしの肩に腕を回してきて、ニヤケた顔を近づけてくるのを嫌がって遠ざけようとするのに、まずます増長して体重をかけてくる。
 「重いっ」
 「…お前、いま、なにげにヤキモチ焼いてるだろ?」
 「だから、重いって!」
 …人の話を聞け!
 あたしもたいがい聞いてないというか、無視してるけど、でもたしかにヤキモチを焼いているのは本当のことだったから、それを否定することもできずに、ただ『重い重い』、を連呼して、両手でジャレついてくるウザイ男の顔を突っぱねる。
 「お前、俺がいくら誘ってもパーティとか公の場に出たがらねぇし、無理に引きずってくわけもいかねぇから、我慢してたけど。お前がその気なら、…ふ~ん、そうか」
 「ふーん、そうかって、なに!?何一人で勝手に察して、納得しちゃってるのよ!」
 余裕こいて、なんだか訳知り顔なのが悔しい。
 「お前も来いよ」
 「え?」
 思わぬ言葉に、目を瞬かせて、ついジッと道明寺に見入ってしまった。
 「ちょうど土日だし、お前のことだから有給いやになるほど余ってんだろ?」
 「……いやになるほどって」
 そのとおりだけどさ。
 病欠した二日を除き、今年度はまだまだ有給が余ってるし、たぶんすべてを消化することなく来年度にまた加算されることだろう。
 「俺も土日丸々二日休むってわけにはいかねぇけど、さっきも言ったとおりパーティ以外はほとんどオフみたいなもんなんだし、ちょうどいいじゃん」
 「…ちょうどいいじゃんって」
 オウム返ししかできないでいるあたしの首をグイッと胸に引き寄せて、久しぶりに頭のてっぺんに小さくキスを落としたり、背中を撫でたり、髪を優しく梳いてくれる。
 「デートしようぜ」
 …久しぶりのスキンシップ。
 デートの申し出も嬉しかったけど…。
 触れてくる温もりが凄く嬉しくて…幸せで、あたしがどれだけその接触に飢えていたのかを思い知らされた。
 煩いくらいに愛情表現されている時には心が贅沢になって、その貴重さを忘れていた。
 道明寺がNYにいる時にはいつも寂しくて、辛くて、少しでもこいつの声が聞きたくて、素直じゃない自分を奮い立たせて、それでも逢いたい気持ちをメールや電話に託していたのに。
 たぶん、努力することを怠っていたんだよね。
 道明寺が余裕がない時には、あたしがその温もりと…愛情を伝えればいい。
 自分の気持ちを相手に伝えることは、たとえ恥ずかしくてもするべき努力であって、好きだという気持ちを大切に守るための手段なんだ。
 ぎゅっと道明寺のシャツを掴んで、広い胸にそっと頬を寄せる。
 力強い腕があたしを抱き上げて、膝の上に乗せて抱きしめてくれた。
 「あの…ね」
 「ん?」
 ゴクリと唾を飲み込み、真っ赤な自覚のある顔を上向け、一生懸命に自分の気持ちを道明寺にぶちまける。 
 道明寺ともっと一緒にいる時間が欲しかったこと。
 少しでも傍にいて、抱きしめてもらいたかったこと。
 たわいない話をして笑い合って、手を繋いで、微笑みあって、キスをして…そんな道明寺との時間が欲しかったと素直に伝える。
 「そうか」
 道明寺はけっして迷惑そうな顔などせずに、でもちょっとだけ驚いたような顔で頬をわずかに染めて、甘く優しく微笑んでくれた。
 「…俺も寂しかった。でも、ツンデレのお前だからな」
 俺ばっかお前に甘えるんじゃ、男のメンツが立たないから我慢してたんだ、と正直に告白してくれて、抱きしめて…キスをしてくれた。
 …こんなに俺様な男なのに。
 道明寺はいつも言葉を惜しまないでくれる。
 好きだという気持ちを、意地や見栄で隠したりしないで、まっすぐな想いであたしを包み込んでくれるんだ。
 「一緒に、出張行くか?」
 「いいのかな?」
 「…もちろん、いいに決まってんだろ?」
 俺と一緒にパーティに出て、お前は俺の恋人だと世界中にいい触れてやろうぜ、そんな馬鹿な事を言う道明寺の言葉に、ふふふと笑って、うんと頷く。
 さすがに道明寺が出張の間、ずっと会社を休んでついてゆくわけにはいかないけれど、でも今はこの素直で…単純な気持ちに従って、彼に甘えて、あたしの好きを伝えて…愛を育もう。
 そんなことを思って、近づいてくる大好きな人の瞳の奥の自分の姿に微笑んで、あたしはそっと目を瞑った。
 「大好き」



~FIN~



チューリップ(赤):愛の告白
赤チューリップ

【みんな自分の能力を疑いすぎるのです。自分で自分を疑っていては、最善を尽くすことなんてできないんです。自分が信じなかったとしたら、誰が信じてくれるのでしょう?】
~マイケル・ジャクソン(米国のシンガーソングライター / 1958~2009) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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シンプルなことですが、なかなか難しいですよね。
子供には毎日しつこいくらいに言って抱き締めてしてるんですが。
たまには甘えてシンプルに気持ちを伝えるのもすごく大事なことですね。

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