「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司①

恋の果実

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~だから今日も I'm so happy~


 「明日は、am.9:00~NYの営業統括中央本部の主要メンバーと衛星会議、am.10:30~pm.12:00までは内勤にて重要案件の決算処理をしていただき、そのあとは、ENGランチャイズコーポレーションの楡崎部長と会食を、そしてpm.14:00~は………~pm.21:00に帰社、ご帰宅いただけます」
 いつもどおりのギッシリ詰まったスケジュール。
 が、そんな馬車馬のように働かされる日常や、秘書の抑揚のない事務的な声さえ今の俺にはまったく気に触らない。
 いつもだったら一日の疲れとストレスで、送迎のリムジンのシートに座ったとたんドッと体が重くなるというのに、すでに心は帰宅後のことに飛んじまって半分上の空で、気持ちに羽が生えてるようだ。
 …屋敷に帰れば牧野がいる。



*****


 
 4年のNY生活を終え、俺が日本に帰国して早1ヶ月近く。
 空港に迎えに来てくれた牧野を屋敷に拉致って…あの熱く甘い一夜を過ごして以来、まだ数えるほどしか顔を合わせられていない。
 NY時代はテレビ電話なんてものをたまには使っていたが、同じ東京にいるんだと、つい油断しちまうとあっという間に数日が過ぎていたりして、何日も連絡が滞ることも珍しくなかったから、あとはせいぜい数日に一度のペースで電話で話すくらいなもの。
 それならそうで、牧野の方から連絡してくればいいのに、NY時代もめったにあいつから俺に電話してくることなんてなかった。
 そのかわりにメールはよくくれたけど、俺はちまちまメールなんて打ってるタチじゃねぇからな。
 そんな時間があるなら、少しでもあいつの声が聞きたい、顔が見たい、抱きしめたい…抱きたい。
 「では、また明日、am8:15にお迎えにあがりますので」
 「ああ、お疲れ」
 「っ…お疲れ様です」
 珍しく労いの言葉を返した俺に、面食らったのか一瞬言葉を詰まらせた秘書の顔を見ることもなく車を降りて、いつもながらの使用人たちの出迎えにも足を止めずに先を急ぐ。
 …なんだよ、玄関まで迎えに来いよ。
 小さな不満を呟いてみるが、本当のところはそんなことはどうでも良くって、とにかくニヤニヤ笑いが抑えられねぇ自分への照れ隠しだということは自分が一番よくわかっていた。
 バンッ!!
 「牧野ッ!」
 ノックすることすら忘れて、ドアをいきなり開け放つ。
 ちょうどソファを立ち上がったところだったらしい牧野が、「きゃっ」と飛び上がって派手に驚いて、俺を振り返った。
 …いた!
 いた。いた!!
 約束してたんだから、当たり前かもしれなかったが、今、俺の前に牧野がいることになぜか感動してしまっている俺がいて、それだけでもう仕事の疲れも半分吹っ飛ぶ。
 「お、お帰りなさい。えっと、そのぉ…玄関までお出迎えに行かなくって…ご、ご、ごめ…ぎゃっ」
 最後まで言わせず、感情のまま真っ赤な顔でシドロモドロの牧野の華奢な体を一気に抱き込んだ。
 「……ただいま」 
 「う、うん、お帰り」
 クスッ。
 …お前、何回お帰り言ってるんだよ。
 些細なことがおかしくて笑ってしまう俺を、怪訝な顔で見上げてくる牧野に、いや、と首を振って力いっぱいに抱きしめる。
 ふんわりと優しい牧野の匂いを胸一杯に吸い込んで、温かく柔らかなその感触を思いっきり堪能する。 
 …ああ、牧野だ。
 何度夢見て、抱きしめたいと思ったか、ただ会って顔を見て、声を聞きたいと願ったかわらかないたくさんの夜と昼。
 やっと俺は帰ってきたんだと、改めて実感する。
 …ふっ、日本に帰って来て、どんだけ経ってんだよ。
 けど、せっかく牧野がいる国へと帰ってきて、実際に時差もなければ会おうと思えば簡単に会えるはずの距離にいるというのに、激務に毎日を忙殺されて、ほとんど逢えずにどれだけ俺が牧野不足だったかを思い知らされる。
 最初は緊張に固く強張っていた牧野も、俺に慣れてきたのか徐々に力が抜けて、俺の胸に当てた小さな手に顔を寄せ体を預けてくれた。
 「ホント、お帰りなさい」
 「…それ、何回目?」
 「だって、本当にそう思ってるんだもん。ああ、道明寺が帰ってきてくれたんだなぁって」
 赤らんだ顔が恥ずかしそうに微笑んで、潤ませた目で俺を見上げてくる、その破壊力。
 …可愛い。
 「ああ、本当だな。俺も今、それ思ってたとこだわ。悪いな、中々時間とってやれなくって」
 「…ううん」
 胸元の牧野の手を握り締め、手の甲や手首、白い素肌にくちづけを落として、髪や頬にもキスを繰り返す。
 くすぐったそうに首を竦めて、でもクスクス機嫌良さそうに笑ってくれる彼女が愛おしくて…優しい気持ちになる。
 ああ、これが幸せってやつなんだな、って俺らしくもない感慨。 
 でも思ってみれば、こいつといれるだけでいつでも俺の心は満たされて、そんな気持ちになるんだった。
 「すげぇ耳まで真っ赤」
 「…だって、恥ずかしいんだもん。なんか、慣れないよぉ、こういうシチュエーション」
 「まあ、それはそうかもな」
 それでも素直に俺に抱きしめられてくれてるお前も成長したんだよな。
 昔はこんな時恥ずかしがって、おとなしく抱きしめられてなんかいてくれなかっただろ?
 下手すりゃ、照れ隠しに俺を殴ったり、蹴ったりで…思えばとんでもない女だと、さらに楽しくなっちまった。
 もしかして、俺ってMだったのか?
 「…なに、笑ってるのよ?」
 「いや、俺って、ホントお前にイかれてるよな、ってあらためて再認識してたとこ」
 「は?」
 怪訝に眉根を寄せる牧野の眉間のしわにもキスを落として一気に抱き上げる。

恋の果実

 「え?きゃっ」
 小さな悲鳴を上げさせて、牧野の尻の下に腕を起き、小さくて軽い体を縦抱きに抱き抱えたままソファへと運んだ。
 俺の首に腕を回してバランスを取る牧野の頭の後ろに手を回して、また何度もキスを繰り返す。
 何度キスしてもたりない気がする。
 お前の匂いや温もりをもっと感じて、お前に包まれたい。
 ドサッ。
 俺が牧野ごとソファに腰を下ろしたことで、牧野も自分の状態に気がついたようで恥ずかしがっている。
 「…照れるなって」
 「照れちゃうよ。あんたにこんなことされたりするとドキドキして…恥ずかしくて、どうしていいかわからなくなる」
 その手触りのいい長い黒髪を撫でながら、顔を覗き込むと、牧野はその言葉通りに瞳を揺らして、俺だけを一心に見つめていた。
 牧野の赤く染まった頬に手を当て、少しだけ開いた可愛らしい唇へと唇を寄せると、甘い吐息が俺の鼻腔を擽り、柔らかな唇が俺の唇を柔らかく受け止めてくれる。
 甘い顔をした俺の顔が映った牧野の大きな目がゆっくりと隠れて、首に回っていた細い腕の力にぐっと力がこもった。
 …好き。
 …好きだ。
 互いの心が唇を通して互いに素通しになる。
 わずかに離れた唇の隙間から、そっと囁いた。
 「…じゃあ、ずっと慣れんな」
 「道明寺?」
 「慣れないままで…ずっと俺にドキドキしてろ。お前なんて、ずっと俺にドキドキして、照れて恥ずがしがっていればいい」
 「……ん……ぅ」
 キスの合間に愛を囁いて、囁かれて…想う。
 もっと俺に溺れてろ。
 俺に見惚れて…俺のことを考えて俺のことだけで頭を一杯にしてろよ。
 そうじゃなきゃ、いつもお前のことばかり考えて、溺れて死にそうになっちまってる俺と釣り合いが取れないってもんだろ?



~FIN~



ヒヤシンス(青):変わらぬ愛
青ヒヤシンス

【持たなくてもいい重い荷物を、誰に頼まれもしないのに一生懸命ぶらさげていないか。】
~中村天風(日本初のヨーガ行者、天風会の創始者 / 1876~1968) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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はい!
一生ドキドキして溺れていたいと思います!
と、私なら即言ってしまいそう笑
お帰りただいま、を言える日常って素敵ですよね★

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