「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
あきら

恋はやがて永遠に…

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~だから今日も I'm so happy~


 「はい、あ~ん?」
 パク。
 雛鳥に餌を運ぶみたいに口元までスプーンを運んでやって、牧野の唇の端に少しだけ垂れてしまったソースを指先で拭う。
 その指を俺がペロリと舐めると、牧野の赤らんでいた顔がいっそう赤味を増して、恥ずかしがって顔を俯けてしまった。
 「まだ、残ってるよ?今度は、他のおかずにする?」
 「…は、恥ずかしいよ、美作さん」
 バイト先の資材置き場で、頭上から落下してきた荷物から頭を守るために、突き出した腕と反対側の手、それに転倒した際に足を怪我してしまった牧野。
 生憎牧野の両親は、いま東京にいなくて、弟も遠方住まい。
 足の方は幸いたいしたことがなかったけれど、腕にはヒビ、利き手は突き指をしてしまい、生活に思いっきり支障が出る怪我を負ってしまった。
 遠慮する牧野を、ほとんど無理矢理に屋敷まで連れてきてしまった俺。
 …そりゃそうだろ?
 だって、俺は牧野の恋人だから。
 たとえ牧野の両親が彼女のそばにいたとしても、とても放っておけるはずがないのは当たり前のことだ。
 めったにそういう強引なことをしない俺だったから、牧野は戸惑ってロクに抗うことができなかったらしい。
 「…美作さん、もういいって」
 「ん?なにが?病気じゃないんだから、食欲はあるだろ?」
 「いや、そうじゃなくってさ」
 牧野の言いたいことはわかっていても、あえてスルーする。
 「全部じゃなくっても、だいたい食べられたらデザート出してあげるよ。それとも、なにか嫌いなものあった?」
 「いや、好き嫌いはほとんどないから、…美作さんだって、知ってるでしょ?」
 「じゃ、まずかった?」 
 そんなはずがないのはわかっていても、あえて聞いてやると、まるで自分が作ったもののように牧野が憤慨した。
 「もう!そんなわけないでしょ?!いつも、こちらのお屋敷のご飯は美味しいよっ。シェフさんに悪いじゃない、冗談でもやめて!」
 声を荒らげたことで多少は照れを自分なりに消化したのか、俺を伺うようにして上目遣いに俺を見上げてくる牧野がすげぇ可愛い。
 年上好みで庇護欲をくすぐるタイプを好んだことなんてなかったはずなのに、俺も現金っていうか、自分のあまりの変わりように苦笑してしまう。
 「…なに?」
 そんな俺の気持ちが中途半端に通じてしまったのか、不安げな顔をしてくる牧野の頭を軽くポンポンと叩いてやる。
 自覚してないんだろうけど、たぶん思わぬ事故にあってしまったせいで、かなり心が萎縮してしまっているのだろう。
 少し元気になったと思ったら、すぐに意気消沈してしまったり、いつも目まぐるしく感情を変える牧野にしても、情緒不安定気味だった。
 「なんだよ?ずいぶん、殊勝になっちまったんじゃないか?」
 気を取り直させようと、笑ってわざと挑発するように言ってやる。
 思惑通り、俺のセリフに牧野がムッと唇を尖らせた。
 「…あたしは元々謙虚なんです!っていうかさ、あたし、美作さんがこんなに強引なことするとは思わなかったよ」
 「そうか?」
 「まあね、あんたも俺様坊ちゃんの一人には違いないってことは知ってたけどさ」…なんて、独り言だとは思うけど、果たして本当にそうなのか迷うような声量で失礼なことを呟いている。
 …俺様?俺が?
 昔から司と十把一絡げで、言いたい放題大概言われてきたけど、あまりな形容詞にぷっと噴き出してしまった。
 こんな時だからだとは思う。
 動揺してしまっている牧野には可哀想だとは思うけど、凹んでると思えば、ぷんぷん怒ったり、悪態をついたり、クルクル表情や感情を変えてくる彼女が可愛い。
 …長女気質っていうか、牧野ってわりと遠慮しいだからな。
 言いたい放題言ってるようで気遣いの女だから、いくら恋人とはいえ、こうして一方的に世話になるっていうのが落ち着かないのも俺にはわかる。
 けど…、
 「俺様ワガママ坊ちゃんが決めたことだから、もう諦めろよ。お前は怪我が完治するまで、俺のうちで休養する。決まりな?」
 「ワガママまで言ってないって……そりゃさ、美作さんの気持ちはありがたいけど。やっぱり申し訳ないよ」
 「お袋たちだって大歓迎だって言ってただろ?」
 「うん」
 食事を乗せたトレイを一旦サイドテーブルの上に置いて、牧野が体を起こしているベッドの横へと移動して腰を下ろす。
 申し訳なさそうに俯いてしまったいる彼女の肩を抱いて、髪にそっとキスを落とした。
 「恋人なんだからさ」
 「…美作さん?」
 「こんな時くらい、俺を頼ってくれよ」
 いつも一人で頑張って、なんでもやり通してしまうお前だから、たまには俺を必要として欲しい。
 不思議そうだった牧野の目が瞬いて、じんわりと甘く潤む。
 甘えて欲しい、力になりたいと思っているのはお前だけじゃないんだとお前にもわかってもらいたい。
 俺の気持ちがちゃんと伝わるように…、そして負担に思わないように、押しつけではなくやんわりと包み込んでやりたい。
 「それに…これは、俺にとって先行投資ってやつだから気にするなよ?」
 「先行投資?」
 怪訝そうな牧野の髪を梳いて、布団の上にたたんで置いてあったカーティガンを手に取り肩にかけてやる。
 「あ、ありがと」
 「ん、寒くない?少し、冷房キツイか?」 
 「大丈夫、快適だよ」
 はにかむ牧野の頬にもキスを落として、サイドテーブルのトレイを再び引き寄せ、フォークを手に持ち直す。
 それを目で追いながら、牧野が首を傾げた。
 「先行投資って?」
 「俺だって人間だろ?」
 「…う、うん?」
 「長い人生、いつ病気やケガで倒れるとも限らない。そうしたら、今度はお前が俺を看病してくれる番」
 「……それって」
 「期待してるよ」
 潤んだ目に映った俺が微笑む。
 この目に映れることが嬉しい。
 それが俺の幸せだから、お前は俺の手の中で安らいでくれればいい。
 微睡んでくれ。

恋はやがて永遠に…

 「さ、食べちゃおうぜ。飯食って…デザート食って、一眠りすれば怪我の痛みもきっと和らいでるよ」
 「…うん、ありがと。美作さん」



~FIN~



サルビア:良い家庭、家族愛
サルビア

【だれにだってあるんだよ ひとにはいえないくるしみが だれにだってあるんだよ ひとにはいえないかなしみが ただだまっているだけなんだよ いえば ぐちになるから】
~相田みつを(日本の詩人、書家 / 1924~1991) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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二次の世界にはまるまで、あきらさんはないかな~と思っていたんですが、最近はあきらさんに心持っていかれます。
きっとあきらさんになら、つくしちゃんも照れながらも甘えてしまうのが想像できます♪
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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