FC2ブログ

「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司①

恋人

 ←Love so sweet →愛してる、そばにいて0168
◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ
【君を愛するために】オススメ作品!?
ランキングもよろ(・ω-人)
ブログランキング・にほんブログ村へ
いつも応援ありがとう♪
**************************************

~だから今日も I'm so happy~


 「うわぁ、ここのお部屋もすっごい久しぶりだなぁ」
 おお、と入口で突っ立ったまま、なぜか物珍しげに部屋を見回している牧野の背に手を当て、中へと促す。
 俺にしてみれば、何をいまさらって感じ。
 約束の4年目。

恋人

 ちょっとギリギリではあったけど、それでも宣言通りに日本に帰国して、空港まで出迎えてくれたこいつをそのまま拉致って、連れて帰った世田谷の屋敷。
 「なんだよ、俺がいない間も、こっちに顔出してたんだろ?」
 たしか、タマの茶飲み友達して顔を出しているのは聞いていた。
 「ん~、タマさんや使用人の皆さんには会いに来てたけどさ。あんたもいないのに、あんたの部屋とか、関わりのないところに足を踏み入れるわけにいかないじゃん?」
 「そっか?」
 だいたい、来る理由もないし、と首を傾げている牧野に肩を竦めて、クローゼットへの向かう。
 「あ!ちょっと、あんた、何そこら中に服脱ぎ捨ててるのよっ!」
 文句をいいつつも拾い集めている牧野の姿に、小さく笑う。
 …なんかいいよな。
 こいつにキャンキャン言われるのって。
 我ながらどういうんだよ、とか思うけど、再会したばかりの牧野は、気後れしたように俺に対して一歩引いていて、どこかよそよそしかった。
 まあ、それも俺が問答無用で抱き寄せて、そんな遠慮の壁とっぱらってやったつもりけどよ。
 それでも、久しぶりに顔を合わせた牧野は、どこかしんみりして乙女していた。
 移動中の車ん中では、逆に忙しなくくっちゃべってはいたけど、あきらかにテンパって、異様なテンションだったよな。
 どんなこいつでも俺にとってはすげぇ可愛いし、ただそこにいてくれるだけで嬉しいけど、気が強くて明るい牧野が好きだから、こいつにはいつも楽しそうに笑っていて欲しい。
 その笑顔を守るのが、俺の役目ってやつだけど。
 今みたいに小言を言ってるのは、まあちょっとそういうのとは違うかもしれねぇけど、しおらしいこいつだと調子狂うし、こうして少しづつでも久しぶりの俺に慣れて、妙な緊張が解れればいい。
 「いてっ、背中叩くな」
 「言っても聞かなからでしょ。もうっ、あんたNYに行く前よりひどくなってない?」
 「そうか?」
 一応俺も、外にいる時にはそれなりに気を使ってるけど、自分んちにいれば誰かしらが片付けるわけだし、うるさく言われるわけでもない。
 「…まあ、あんたがだらしなくしても、誰かしら片付けてくれる人がいるから困らないんでしょうけど。ハァ、いい大人なんだから、せめて、脱いだものをまとめて、椅子とかソファにかけておくくらいしないさいよ」
 「お前がやってるからいいじゃん」
 「あたしはあんたのメイドじゃない」
 小言を言われながらも、さっさとラフな服に着替えて、ソファに腰をおろす。
 「で?」
 「……で?」
 まだブツブツ唇を尖らせてセカセカやってる牧野に手を伸ばして、こっちへ来いと手招きする。
 「もちろんお前はメイドじゃねぇよな?じゃ、お前は?」
 「お前は…って」
 俺の服を抱えて、キョトンと立ち尽くしてる女をジッと見てやる。
 「お前は俺のなに?」 
 「えっ……」
 棒立ちになってギョッとしてる牧野の顔が、すげぇおもしれぇ。
 顔なんてまるで蛸みたいに真っ赤になったかと思えば、動揺ででっけぇ目をあっちにキョトキョト、こっちにキョトキョト、どんだけお前テンパってんだよ?
 俺そんなに難しいこと聞いてるか?
 「ぷっ」
 「…なっ」
 「お前、空港の時といい、なにそんなに緊張しまくってんだよ?」
 自分でもじかくしてるんだろう。
 俺にズバリと言い当てられて、困ったように俯いてしまう。
 「ごめん、普通にしようとは頑張ってるんだけど」
 ほら、またらしくねぇだろ?
 俺を相手にモジモジなんかしてるんじゃねぇよ。
 「お前は俺のなに?俺はお前のなに?」
 もう一度聞いてやる。
 「…恋人」
 だろ?
 「正解。キモいから、変にしおらしいフリしてんな」
 「なによ、それ、キモいとか、変にしおらしいとか超失礼!あたしは厚かましいあんたと違って、遠慮がちで控えめなたちなの!」
 控えめな奴が自分で、そう言うかよ。
 俺を睨みつけるその顔が、4年前、俺がいい男になったら幸せにしてやるって、宣言した時の少女のこいつの顔に重なって、ぎゅっと胸の奥に熱いものが広がった。
 …そうだ、俺は帰ってきた。
 「もっと、こっちへ来い」
 さっきまでの躊躇が嘘のようにしっかりした足取りで、俺の傍まで歩み寄ってきた牧野の細い手首を手に取り、強引に引き寄せる。
 「ちょっ」
 膝の上に抱き抱えた華奢な体の柔らかな感触と優しい香り。
 ドキドキと高鳴ってる心臓の音は、こいつのものなのか、それとも俺のものなのか。
 俺をジッと見上げる潤んだ大きな目の威力に、魂の奥底まで囚われる。
 …いや、俺がこいつの虜になっちまったのはとっくの昔からだった。
 ただできるだけそのことを意識しないようにしてきた4年間。
 少しでも気を抜くと、こいつに会いたくて、逢いたくて、すぐにでも日本に帰ってきちまいそうだったから。
 恥ずかしそうに視線を落とす顎を掴んで、震える唇にキスを落とす。
 俺のキスに合わせて、牧野の両腕があがって俺の首に回わってしがみついてくる。
 そんな牧野の瞑った瞼や頬にもキスの雨を降らせて、ぎゅっと抱きしめた。
 牧野の頭を顎の下に抱き込み、そっと震えている背中を撫でて髪を撫で、その温もりを堪能する。
 …ああ、俺、帰ってきたんだな。
 そんな風に思う。
 日本だろうと、NYだろうと、俺にとってはどちらでもかまいやしない。
 けど、NYには牧野がいないから。
 こいつがいるところが、俺の帰るところなんだ。
 だから…、
 「俺は俺だろ?」
 「…だって、あんたがあまりに大人になってたから…いい男になってたから気後れしちゃったの」
 「何も変わってねぇ。見た目や立場はどんなに変わったにしても、俺はお前にめちゃくちゃ惚れてて、ただこうしてお前を俺の腕の中に抱きしめることだけを望んでる男なんだよ」
 「道明寺」
 「俺にとってお前がお前であること、お前が俺に惚れてて、お前が俺の女であること以外、何一つ重要なことなんかない。お前は?」
 顔を上げた牧野が、大きな潤んだ目で俺の目をジッと見返してしっかりと頷く。
 「あたしにとってもそうだよ。あんたがあんたであること、あんたがあたしを好きでいてくれて、あんたがあたしの男であること以外何も必要ないの」



~FIN~



クロッカス(黄色):私を信じて
黄色いクロッカス

【こけたら、立ちなはれ】
~松下幸之助(日本の実業家、発明家、パナソニック創業者 / 1894~1989) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




web拍手 by FC2

関連記事


総もくじ 3kaku_s_L.png イベント
総もくじ 3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ 3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ 3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ 3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ 3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 倉庫
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント
総もくじ  3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ  3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話+
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ  3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話^
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ  3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ストック
もくじ  3kaku_s_L.png R短編集
もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ R
もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛の品格 R
もくじ  3kaku_s_L.png 愛妻生活 R
  • 【Love so sweet】へ
  • 【愛してる、そばにいて0168】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ぎゃーーー!!!
私も司にそんな甘い言葉を言われたいっ★
きっと4年後は、つくしちゃんも司に気後れして遠慮も暫くあったのかなぁ、なんて私も想像してました!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【Love so sweet】へ
  • 【愛してる、そばにいて0168】へ
にほんブログ村 小説ブログへ💛
スポンサーリンク