「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司①

Love so sweet

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~だから今日も I'm so happy~


 「うそ、やだぁ。あれって、もしかして道明寺司じゃない?」
 「ぐげっ」
 …内心で呻いたつもりが、つい声に出ちゃっていたらしく、あたしのすぐ前でポウっと道明寺に見惚れていた同僚の松尾先輩に怪訝に振り返られてしまった。
 お昼休憩に入ってすぐの時間帯。
 お弁当の入ったトートバックを片手に、先輩たち女の子数人で外のテラスでランチしようと通りかかった廊下の対面側から、なぜか!よく見知った男が、秘書の西田さんやうちの社の幹部たちを引き連れ真っ直ぐこちらへと歩いてくるのに出くわした。
 もちろんあたしたちだけじゃなく、すぐに他の社員たちも気がついたみたいで、ざわっとして、あっという間にあいつの周囲は立ち止まる社員たちで花道状態。
 そりゃあさ、学生時代ほどあからさまじゃないけど、他の会社の幹部役員の来訪に対してこれってどうなの?って感じだよね。
 まあ、あたしにしたら、それどころじゃないけど。
 「うそうそっ!ほんとだぁ」
 「…マジ?」
 「やん、凄いカッコイイ」
 …あいつぅ。今日うちの会社に来るなんて、一言も言ってなかったじゃんよ!
 「どうしたの?」
 「…えっとぉ、あたしお弁当忘れちゃったみたいなんで、が、外食でますね!」
 「え?」
 先輩の視線が、不審げにあたしがいつもお弁当を入れているトートバックへと流れる。
 「はははははは、はははのは~。なんで、バックにお弁当、入ってなかったのかなぁ~」
 「………」
 我ながら空々しい笑いだ。
 「あのさ?」
 「じゃ、じゃあ、また後でぇ」
 バックを背中に隠して愛想笑いで誤魔化しつつ、不審げな先輩の言葉を遮って、ヤツに見つからないうちにと、ソロリソロリと人垣に紛れて後退る。
 が―――!
 「牧野くん」
 びっくっ~~んっ!
 ぎひっ!
 ポンと背後から肩を叩かれて飛び上がった。
 …し、しかも、名前呼ばれちゃったよ!
 「まだ外出てなかったな、良かった。悪いけど、お昼に行く前にちょっと人事部に寄って、このファイル、倉田さんに渡してきてよ」
 「…か、課長」
 いつも大らかでざっくばらんな大木課長の顔が、憎々しく見えた。



*****



 なんと!?奇跡的なことに、あの後道明寺に呼び止められることもなく、あたしはあの場を脱出することに成功していた。
 よけいな用事を言いつけられたから、時間的な問題で外に出ることはできなかったけど、まあ、道明寺本社ビルほどじゃないにしてもそれなりに広い社屋内だ。
 いまさら見つかるはずもない。
 …ていうか。
 名前呼ばれた時に、あたしがあの場にいたことは絶対にバレちゃってたと思う。
 けど、あたしの心配とはよそに、特に非常識な行動をとられることもなく、名指しで呼び止められるようなこともなかった。
 そりゃそうだよね。
 あいつもいつまでもガキじゃないんだから。
 道明寺HD副社長っていう肩書きに相応しい立ち振る舞いってものがあるんだもん。
 ちょっとだけ肩透かし食ったような、寂しいような気もするけど…。
 いやいやいや。
 「さて、どこでお弁当食べようかな」
 お弁当を忘れたとか松尾先輩に言って別れた手前、いまさら事務所に戻って食べるのもなんだよね。
 とりあえずは、お茶でも淹れようかと給湯室へ。

Love so sweet

 時間を外しちゃっていたから、あたし以外の社員の姿はない。
 「………なんで、俺の姿見て、逃げ出すんだお前は」
 「は?」
 馴染んだ声に振り返れば、案の定、さっきやり過ごしたはずの男が!
 「ちょ、ちょちょちょちょ、ちょっと!」
 …あんた、人の会社で、何勝手に単独行動とってんのよっ!
 言いたいことを飲み込んで、入口を塞ぐようにして壁に寄りかかっているヤツの横から顔を出して、慌てて背後の廊下を伺う。
 右見て、左見て、バチッと視線が合ってしまったこれまた見覚えのある黒のスーツの男性は…まあ、道明寺のSPだからいっかぁ。
 と、とりあえずは、他に人目なし!
 仕切りなおして…と、給湯室に戻る。
 さすがにいくらなんでも大きな声で怒鳴りつけるわけにはいかないから、長身の胸元から伸び上がるようにして、ニヤついてる男の顔を睨み上げ小声で文句を言う。
 「もうっ!会社ではあんたのこと内緒にしてるんだから、来ることがあっても声かけないで、っていつも言ってるじゃない!?」
 「…こっちこそいつも言ってるだろ?なんで隠すんだよ」
 「隠すでしょ、普通。あたしはあんたと違ってごく普通の会社員なんですからね!バレたらいろいろ面倒なことになるから、あんたにも協力してって、お願いしてあったじゃない!」
 …渋々だけど一応は一理を認めて、わかったって言ってくれたはず。
 もちろんタダじゃなかったけどね。
 あれやこれやと無理難題を要求されて、次の日は太陽が黄色…いや、ごほん。
 それはともかくとして…。
 「ハア~、だから、廊下で出くわしてあの場では声かけなかっただろ?」
 やっぱり気がつかれてたか。
 「それはありがたかったけどさ。でも、天下の道明寺HDの副社長が、こんなところであんたの会社と無関係の一女性社員と立ち話してたら変でしょ」
 しかも人様の会社の給湯室とか。
 「一々面倒くせえ女だな、ホント、お前は。だからさっさと正式に婚約を発表して、世間にも周知しようって言ってるのによ」
 「…いや、絶対さらに面倒臭いことになるから」
 そんなことになったら、あたしここでまともに働いてられなくなるっしょ。
 平行線の会話にうんざりしたのか、あるいは話を反らそうとなのか、道明寺がキョロキョロと給湯室を物珍しげに見回しはじめた。
 「へぇ、こんな部屋、会社にあるんだな」
 「あんたの会社にもあるでしょうが」
 たぶん、うちよりもよほど立派なのがあるんじゃないの?
 まあ、しょせん会社の給湯室だから、そんなに大きく変化はないかもしれないけど、どちらにせよ、普段のこいつが興味を持つような場所ではないことはたしかだよね。
 「これから飯?」
 「うん、あんたは?」
 「まだ。お前んとこの専務が、どうしてもこの時間じゃねぇと空かねぇって言うからよ。この俺様がわざわざこっちまで出向いてやってるっていうのに」
 「…はぁ、それはご苦労様です」
 うちの規模の会社で、こいつを呼びつけられるってある意味凄いと感心してしまった。
 そんなあたしの心の声が聞こえたらしく、ニヤリと笑って、
 「お前がいるからだろ」
 …は?
 あたしがいるから??
 「お前がどんなところで仕事してんのか、一度見ておきたいと思ってたし。もしかしたら、お前の顔も見れるかな、ってな」 
 ドンピシャだったな、と嬉しそうに言われてしまうと、日頃言いなれた小言も喉の奥に消えてしまう。
 …まったく、同棲してて毎日顔合わせてるっていうのに、なにをいまさら会社で顔見たからって、いまさら嬉しそうな顔して笑ったりしちゃってるのよ。
 そんなたわいないことで喜ばれてしまうと、あたしの方が照れてしまう。
 「もうっ、しょうがないわね。あんたもお茶飲む?」
 「入れてくれんの?」
 妙に気恥ずかしくなって、ご機嫌なヤツの顔から視線を反らして、来客用の湯呑を探る。
 …ていうか、そういえば、こいつなんで一人でこんなところにいれるわけ?
 「トイレつーって、ちょっと抜けてきた」
 ツーカーって言うか、口に出さなくても言いたいことに答えてくれるのは、やっぱり長年の付き合いのたまもの?
 「いや。まんま顔に出てるぞ。お前の場合、内心ダダ漏れで独り言言ってる時もあるから、誰にでもわかるな」
 ぎゃっふん。
 って、それはともかく!
 「ちょっと!どさくさにまぎれて、抱きつかないでよっ!」
 「別にどさくさに紛れてねぇだろ?フツーにそのまんま抱きついてるだけ」
 「なにが、フツーによ、開き直んなっ!誰かに見られたらどうしてくれんのよ」
 しかも、社内恋愛かなにかしてる一般人相手でも、会社でこんなとこを見られたらとんでもないことなのに、世間でも名の知れたこいつと抱き合ってた、なんて噂がたったらいったいどうしてくれんのよ!
 ゾッとしてしまう。
 それこそ、マジで会社を退職して、こいつと結婚するしかなくなっちゃうでしょっ!
 …いや、結婚はまあいずれするつもりなんだし、そこはいいんだけど。
 と、とにかく、今はまだ仕事を辞めるつもりはないんだからっ。
 「誰もいねぇって。つーか、SPに俺がいいっつーまで、こっちに誰も来させるなって指示してあるし」
 「は?あんたねぇ」
 なに考えてるのよ。
 「人の会社、勝手に通行止めにすんな」
 「やだ」
 「やだって」 
 子供みたいな言い草に、呆れてぷっと笑ってしまった。
 何言ってんだろうねぇ、こいつ。 
 会社に入ってきた時の、いかにも仕事ができます然としたカリスマ経営者の面影なんて欠片もない。
 クスクス笑ってしまって見上げた顔がすんごく甘い。       

 優しく笑ってくれて、…チュッて小さなキスがあたしの唇に降ってくる。
 「後で飯食いに行こうぜ」 
 「え~、無理。あたし、もうすぐお昼休み終わっちゃうもん」
 「いいじゃん、俺から言ってやるからさ」 
 「却下」
 たまにはこんなことがあってもいいっかぁ。
 …毎回じゃ困るけどね。
 行こうぜ、行かない、なんて、道明寺とバカップルよろしくジャレ合いながら、…ふとまた疑問が湧いた。
 そういえばこいつ、どうしてあたしがここにいることがわかったの?



****



余談)とある会議室にて。

 「西田さん、道明寺副社長がトイレに立たれてからずいぶん経つようですが…。もしや社内で迷われているのでは?」
 「GPSの受信機も持参して行きましたし、尾行もつけているでしょうからそこはご心配なく」
 「は?」
 「…いえ、やや腹痛がすると言っておりましたので、それで時間がかかっているのでしょう」
 「え?」
 「副社長といえど、道明寺も人間ですから」
 「そ、そうですね」



~FIN~



カラー(ピンク):情熱家、素敵な恋人
ピンクカラー

【後ろ向きなやり方では、とても生きては行けないよ。分かるかい。前向きに進むんだ。毎日が新しい日なんだから。】
~ボブ・マーリー(ジャマイカのレゲエミュージシャン / 1945~1981) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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つくしちゃんと働く場所が違ったら、絶対にどんな手を使ってでも見に行きそうですよね笑
通行止めに笑っちゃいました!
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