「だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに」
司①

愛はすべてを克服できるか!?

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~だから今日も I'm so happy~


 うぐっ。
 いつもは牧野のほんのりと甘いいい匂いのする部屋のドアを開け、一歩足を踏み入れた瞬間、危うく脳停止しそうになっちまった。
 蘇った脳みそが、最初に思考したのは、
 ―――いったいどこのどいつが、毒ガス攻撃を仕掛けてきやがった?
 ハッ。
 そうだ。
 牧野!牧野は無事だろうか。
 「牧野ぉっ!!」
 慌てて靴も脱がずに上がり框に足を乗せる。
 うちのトイレより狭い部屋で、牧野の姿がないとか、まさかそういうことなのか!?
 が――、
 バタン。
 「あれ、来てたんだぁ」
 俺の心配をよそに、のほほ~んと呑気な顔して出てきやがった愛しの大ボケ女。
 「って!?ちょちょちょ、ちょっと!!靴、あんた靴ッ!!」
 「…あ?」
 一瞬でマヌケなタヌキ顔から、般若みてぇに表情を変えて、瞬間移動よろしく俺の真ん前まで詰め寄る。
 ベシッ!
 「このバカッ。どこの世間に人の家に入るのに、靴も脱がない人がいるわけっ!?」
 だからって…、
 「人の顔をスリッパで殴りつける奴もいねぇだろ?」
 …しかも、お前の彼氏だぞ、俺はっ!
 「あんたが何回言っても懲りないからでしょっ!?」
 まあ、そりゃあ、2,3回はどこからどこまでが玄関なのかわからなくて、うっかり靴のままあがっちまったことはあるよ。
 でも、ここ最近ではさすがに慣れて、そんなことしてなかったじゃねぇか。
 だいたいな、どこからどうみてもこのロッカーサイズの土間だけが玄関だとか、フツー誰も思わねぇだろ。
 「しょうがねぇじゃん。俺の人生にこのサイズは無縁だったんだから」
 「何言ってんのよ。あんただって、昔あたしの住んでたアパートの隣に住んでたことあったじゃない」
 「俺は過去のことは振り返らねぇタチだ」
 「そうでしょうね。ええ、よ~っくわかるわよ!あんたの過去を振り返らないそのおポンチな性格のおかげで、あたしがどれだけこれまで煮え湯を飲まされてきたことか」
 な、なんだか恨み節になってねぇか?
 この俺様が、最愛のお前に煮えた湯なんか飲ませる非道なことするかよ?
 俺は好きな女に痛い思いさせて喜ぶような変態じゃねぇ!
 どうせ変態なことするんならな、といつの間にかどっぷり妄想の世界へ。 
 「…ちょっと、あんたなに人のこと、舐めるような気持ち悪い目つきでジロジロ見回してるわけ?」 
 思いっきり引かれた。
 「ゴホン。いや、お前の気のせいだ。…じゃなくって、なんだ、このすげぇ悪臭はよ!?」
 「…あ~」
 おいおい、なんだよ、その微妙な顔は。
 もしや、また納豆おやきだの、納豆餃子だの、納豆スパゲッティだの…つーか納豆しか思いつかねぇが、そういうたぐいの庶民食だとかいう、やたらと臭くて食いにくい料理を俺に食わせるつもりかっ!?
 とりあえず今漂ってるこの異様な臭いは、まるで納豆の臭いとは違って、あえていえば、生ゴミとかそういう臭いにかなり近い。
 「えっとね、実はね。ほら、今、パパたちが伊豆のあたりに出稼ぎに出てるじゃない?」
 こいつの親父さんが相変わらずフラフラと転職を繰り返してるのは知っていたが、今度は伊豆ってか?
 「漁師は合わねぇからって、以前に挫折してなかったか?」
 「漁師じゃなくって、干物屋さん?まあ、そういう感じのお店に勤めててね、安くたくさん買えるからって、お店で作っている干物をずいぶん送ってきてくれたの。あんた食べたことないかな?」

愛はすべてを克服できるか

 「干物…って、魚の保存食だよな?」
 「保存食。まあ、そうだねぇ。今時保存食って意味合いはあんまりないとは思うけどね」
 キョトンとして、小さく吹き出して、『またこのお坊ちゃまは』とか思ってるのが丸わかりな顔で笑いやがる。
 その顔が可愛いから、ま、いっか。
 何を思ったのか、自分の小っけぇ手のひらをくんくん嗅いで、
 「まだ、ちょっと臭うかな」
とか言いながら、グリルに向かった牧野の後ろ姿にハッとする。
 「ちょっと、待て。お前、まさか本当にその保存食を、俺に食わせるつもりじゃねぇだろうな」
 「え?ダメ?」
 …ダメって、おい、マジかよっ!
 このすげぇ鼻をつまみたくなくなるような悪臭のもとって、その俺に食わせようとしてる保存食が原因なんだよな?!
 「けっこう平気なんじゃないかと思うんだけど。ほら、あんた、納豆とかもなんだかんだ言って、最近ではけっこうおかわりしたり、食べれるようになったじゃない?」
 「………」
 愛ゆえの俺の努力をさらに試すつもりらしい、この女は。
 「最初はまあ、あたしもちょっとウッとか思ったもんだけど、けっこう人間って慣れるもので、慣れると病みつきになるらしいから大丈夫だよ」
 ニッコリ。
 か、可愛い。
 俺はいったいこの女を一日何度可愛いと思えば気が済むんだ。
 だいたい何が大丈夫なんだよ、と冷静な俺が内心でツッコミつつ、ついついその笑顔に悩殺されて、一瞬今の状況を脳裏から消し去ってしまっていた。
 それがまさか、その後の…俺と牧野のラブラブライフを揺るがしかねない事態を引き起こすことになるなんて、それこそお釈迦様でもわからねぇよな。
 「さてと、じゃ焼いちゃうね」
 カチッ。
 ボウッ!
 なぜか、妙に耳についたその一挙一動の動作の物音。
 ジワジワと濃度を増すその臭気に戦慄する。
 「ぐわはっ」
 「え?道明寺?」
 …俺は今間違いなく地獄を見た。
 この世にこれほど恐ろしいものがあるとはっ。
 しかも、食い物っ!(←ここ重要)
 昔、幼稚舎の遠足で無理矢理に連れて行かれた動物園の厩舎。
 あるいは、なんたら体験だとかでやっぱり無理やり連れて行かれた…本当にここは日本なのかっつー人外秘境の田んぼの真ん中に埋めてあった堆肥壺※。
 そこから漂っていた臭いをさらに濃縮して、それを無理やり鼻の穴に突っ込まれたような苦悶に、俺は嘔吐いて牧野の部屋を飛び出した。
 …あ、ありえねぇ。
 この俺が、最愛の女の部屋から逃げ出す日があるとは。
 「道明寺ッ!?どこ行くのよぉっ」
 「ちょっと!牧野さん」
 「え?さ、佐藤さん?」
 「あんたねぇ、くさやの干物※なんてここで焼かないでよっ!隣の部屋のうちにまで凄い臭いがプンプンして、部屋にいられやしないっ」
 「す、すみません」
 そんな会話を後に、…俺は後ろも振り返らず遁走した。
 …すまねぇ、牧野。たかだか焼いたう○この臭いごときに負けた俺を許してくれ。
 お前が焼いたう○こが好物だろうと俺の愛は変わらねぇ。
 お前がなに焼いても、なに食っても俺は構わない。
 だけど、俺が食わされるのだけは勘弁だ。
 この臭いだけはどうしても耐え切れねぇんだよ!



*****



 後日談。
 「おや、つくしかい?え?くさやの干物?美味しいんだよねぇ。うんうん、大好物だよ。え?いいのかい?ぜひ持ってきておくれよ。坊ちゃんもそういえば初めての味わいだね。はは、大丈夫だよ、あんたにゾッコンの坊ちゃんだ。納豆も食べれるようになったんだから、くさやの干物くらいどうってことないさ」



~FIN~



サザンカ:困難に打ち勝つ
サザンカ

【自分にもっとやさしくなってもいいのよ。】
~アドリエンヌ・リッチ(米国のユダヤ系女性詩人 / 1929~2012) 参照 名言+Quotes

熊本(大分・宮崎)支援情報まとめ→http://www.aratana.jp/pray_for_kumamoto/




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※堆肥壺=肥溜め
※くさやの干物=新鮮なムロアジなどの魚を使用した干物で、伊豆諸島で主に生産。古いものほど旨味が出るとされるくさや液に漬けて作る。中には200年も300年も続くものもある、いわゆる糠漬けみたいな感じ?とっても臭いけど、美味しいそうです。
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食べたことないですー!
でも想像すると司のパニックっぷりに笑えます。
いつかチャレンジしてくれるのかな、愛の力で。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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