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「愛してる、そばにいて」
第2章 罪②

愛してる、そばにいて0095

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 「はぁはぁはぁはぁはぁ」
 一時の熱情がすぎ、荒い息を懸命に整え、つくしは大きく息を吐き出した。
 「……ふぅ」
 「大丈夫か?」
 背中から胸に回された手が、汗ばんだ素肌の膨らみを柔らかく包んで、その先端を摘んだ。 
 「…ゃっ!」 
 瞬間、背筋を走った鋭い刺激が、まだ敏感になっているカラダをビクッと強張らせ、甘い疼きにつくしが呻く。
 司の手が止まらない。
 やわやわと揉みしだかれる。
 首筋に埋まった唇の動きが、今さっき終わったばかりの熱情を蘇らせようとしているのを、つくしも悟らされ慄く。
 柔らかな感触を愉しんでいた大きな手のひらがそのまま素肌を伝わって、まだ潤んで痺れている下肢へと伸びるのを、つくしが咄嗟に手で押さえて遮った。
 「や……ダメッ!」
 「……んだよ」
 不機嫌そうではなかったけれど、それでも不満そうな声。
 「も、もう一度するの?」
 おそるおそる尋ねたが、いわずもがななことかもしれない。
 「やなの?」
 頷きたい。
 けれど、司との約束に縛られている。
 「い……」
 いよ、と続けようとして、だが、
 「ま、やなら、いいけど」
 意外にあっさりと手が引かれ、腕枕の形に変えられる。
 尻のあたりにあたる司の欲望の証は、もうすでに力を持っていることが感じられた。
 だが、司の手はいつものように髪や背中をゆったりと撫でるだけで、言葉のとおりそれ以上何もせずに、ただ労わるようにキスを落とされるに止められる。
 「でも、お前、今日はちょっと感じてたじゃん」
 「…………」
 「いつもは痛くて苦しそうな顔しかしねぇけど、少しは気持ちいいとか思ったんじゃねぇの?」
 つくしは答えない。
 答えられるはずもなかった。
 …気持ちよくなんかなかった。
 それは本当のことだ。
 けれど、いつもとは違う感覚…疼くようなどこかゾワゾワした落ち着かない感覚が湧き上がって、きゅうっと下腹の奥底から得体のしれない何かが這い上がり、一瞬頭の中が真っ白になる瞬間がたしかにあった。
 「なあ?」
 「……知らない」
 答えたくもない。
 そんなつくしに、司も諦めたのか、それ以上の無理強いはしなかった。
 だが、ふと触れていた鎖骨のあたりをなぞる。
 「そういえば、お前、あのネックレスどうした?」
 「……え?」
 「お前が欲しがって、俺が買ってやったヤツ」
 正確にはつくしが見ていただけのものを、強引に司が買い与えてきたものだが、つくしもそれをあえて訂正しない。
 「ほら、UFOみてぇなカタチのだよ」
 「……ああ」
 つくしには土星に見えたが、司にはそうは見えなかったらしい。
 言われてみればUFOにも見えたかもしれない。
 …どうでもいいけど。
 「ジュエリーボックスに仕舞ってんの?」
 …捨てた。
 けれど、それを真正直に言うわけにもいかない。
 背中を向けていることをいいことに、適当な言い訳を言う。
 「えっと…ごめん、なんか知らないうちに鎖が切れてたみたいで」
 「ふぅん?」
 強引だったわりにそれほど執着があったわけではないらしい。
 それはそうかもしれない。
 つくしに買い与えようとした時も、司自身は気に食わない風情なのがありありだったから。
 「まあ、いいけどよ。また、似たようなヤツ買ってやるよ。今度はもっとイイ石使って、お前だけのためにデザインさせてオーダーしてやる」
 どうせ、いらないと言っても無駄なことだ。
 もちろん、司から何かを貰いたいとは今も全く思っていないが、ペットよろしくつくしを飾り立てたいなら好きにすればいいと思う。
 まともに取り合う気にもなれない。
 あとは会話をすることを拒絶して、つくしは目を瞑った。
 「なあ?寝たの?」
 「………」
 答えないつくしに司はただ小さく吐息をついて、彼女の体に布団をかけなおし、あらためてぎゅうっと腕の中へと抱き込んだ。
 「おやすみ」




*****




 「ふわぁ」
 欠伸を噛み殺して、部屋を出る。
 昨日は珍しく司が、押しかけてこなかった。
 つくしの部屋の真ん前が司の私室。
 とはいえ、元々決まった部屋を持たずに気の向くまま居室を変えていたようだし、現在はほとんどつくしの部屋で寝泊りしているのだから、厳密に司の部屋と言えるのかはわからなかったけれど、とりあえずはそういうことになっている。
 もしかしたら、自分の部屋の方に戻っているのかもしれなかったが、あえて顔を合わせたいわけもなかったから、さっさと玄関へと向かう。
 …久しぶりに、歩いて学校に行こうかな。
 ほぼ現金などいらない生活だが、一応はある程度の資金は持たされていた。
 …これも本当は『借り』ってヤツだよね。
 たとえ頑なに物を与えられるのを拒もうと、結局は食事をするにせよ、どこかに移動するにせよ、道明寺家を利用しているのだから、まったく借りがないとは言えないだろう。
 だから使用人たちに蔑まれる。
 資格もない人間が司に寄生しているように見えるのだろうと、つくしにもわかっていた。
 …いつ、終われるんだろう。
 この邸に囚われてはや2ヶ月近くが過ぎようとしている。
 あっという間に自分に飽きてくれると思っていた司が、以前以上に執着を強めているように思えるのは勘違いだろうか。
 …それに。
 あれほど嫌悪を感じて恐怖の対象でしかなかった男に、ある意味馴染んでしまっている自分がつくしは怖かった。




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