FC2ブログ

「中・短編」
意地張ってんじゃねぇよ!…30話完

意地張ってんじゃねぇよ!30~完

 ←意地張ってんじゃねぇよ!29 →一日遅れのハッピー・バースディ01
◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ
【君を愛するために】オススメ作品!?
ランキングもよろ(・ω-人)
ブログランキング・にほんブログ村へ
いつも応援ありがとう♪
**************************************

 「ちょっ……ん」
 戸惑う牧野をそのまんまソファに押し倒して、唇を奪う。
 どうせ、段取りなんか踏んだって、あーだこーだ文句言われるだけで、いいことなんかねぇしな。
 「…やめ、バカッ!まだ、話終わってないのにッ」
 ブンブン顔を振って、俺のキスから逃れた牧野が、真っ赤な顔で抗議してくる。
 睨みなんか利かしたって、ちっとも怖くねぇんだよ。
 潤んだ目に滲むわずかな欲望の揺らめき。
 しっとりと汗ばみだした熱い素肌の熱や、くてっと力の抜けた体が、お前の抗いなんてポーズにすぎないんだと、俺に教えてくれる。
 それでも、意地っ張りだったという自分を認めたからか、文句を言って口を尖らせながらも俺の背中を抱きしめ返してくれて、俺の胸に漣のような喜びがこみあげて、不覚にも涙ぐんじまいそうになった。
 俺様?
 傲慢?
 誰がだよ。
 …俺なんて、お前のキス一つ、微笑み一つであっという間に夢心地になって、どんなことでも赦して、お前の言いなりになっちまうくらいにお前に惚れてるんだぞ?
 もちろん、そんなことは言わない。
 他の奴らにはバレてるだろうけどな。
 鈍いお前が気づかいないことをいいことに、素知らぬ顔でお前を振り回しているフリでなんとか男の威厳を保っているんだぜ?
 「……っん、ぁ………ん」
 捩じ込んだ舌先で、甘い牧野の舌を絡めとり、ねっとりと舐め回しては熱い腔内を探検する。
 逢えなかった時間を埋めるように…他の男の気配なんてなかったか確認するために。 
 嫉妬深い?
 それがどうした。
 てめぇなんて一生、信用してやらねぇ。
 愛情という名の俺の鎖で束縛して、誰にも盗られないように囲い込んでやる。
 「ハァ……な、何考えてる…の?」
 無意識に含み笑った俺の笑いを喉の奥に感じたのか、目を閉じていたはずの牧野が、胡乱げに俺を見て眉根を寄せた。
 「いや、嫌がったくせに、気持ち良さそうな顔してんなって、思ってな」
 「…なによ、それ。失礼…しちゃ、う……ぁん…」
 また煩くなりそうな口を塞いで、口もきけなくなるくらいに濃密に貪ってやる。
 「もう、黙れよ」
 喋る余裕なんて奪ってやる。 
 「はぁん………ぁん…………ゃっ……っ…ん」
 あとは、俺たちの荒い呼気と牧野の甘い啼き声、そして粘膜のたてる淫らな水音だけが、いつまでも響き続けた。




*****




 ちゅうっ、チュッ。
 喉の渇きを覚えて、吸い付いていた白い肌から唇を離した。
 ハァハァと荒い息をただ繰り返していた華奢な背中が、ベッドから体を起こした俺の気配に小さく身じろいで、キツイ睨みを寄越す。
 「……あんだよ」
 「まだ、話終わってなかったのに」
 「別にもう大した話なんて、残ってなかっただろ?」
 大事なのは、俺がお前を好きで、お前も俺を好きだということだけ。
 あとはまあ、瑣末にすぎねぇことだし、お前の気持ちさえ俺にあるなら多少のことは目を瞑ってやってもいいとまで思うようになっていた。
 …欲求不満?
 さすがにそれもあからさまか。
 この俺が牧野に関して、弱気になるなんて、ようは牧野不足で血迷っていたってことなんだろうな。
 「で?」
 「で?」
 怪訝な顔で俺を見上げてくる牧野の前髪をサラリと払って、耳にかけてやる。
 …可愛いぜ。
 どんなに容姿がいい女も、誰が美女だという女も、俺にそんな感慨を抱かせたことはないし、間違っても見惚れることなんてない。
 ただこいつだけ。
 この女だけが、俺の激情も欲望も、愛情もすべてを呼び起こし満たしてくれる。
 顔を近づければ、素直に落ちてゆく瞼に口づけ、こめかみや鼻の頭、頬や唇、感情のままにキスを落としてゆく。
 「もうっ、…キスばっか」
 「やなのかよ?」
 「……嬉しいけど、さ」
 「…………」
 「顔、真っ赤だよ」
 「うるせぇっ」
 急に素直になりやがって。
 メガトン級の威力のカウンターに危うくノックアウトされるところだったじゃねぇかっ。
 「……で、何を話したいって?」
 「ああ……」
 ああ、と言ったまま、よほど話しにくい話なのか、何度か視線を彷徨わせて口ごもっている。
 「おい、また、とんでもない話なんじゃねぇだろうな?」
 「とんでもない…話、かも?」
 「は?」
 そんなことあるか、とか、反発してくることを予想(期待?)しての物言いだったのに、その不穏な返答に牧野をジッと見下ろす。
 すると観念したのか、小さく息を吐いた。
 「えっとね、……この前、あたしの就職妨害してるのって、あんたじゃないかって、あたし疑ったじゃない?」
 …あったな。
 いまだに絶対にやらないとは言い切れないが、さりとてやってもいないことを疑われるのもそれはそれでムカつくものがある。
 ましてや、それが原因で互いに意地を張り合って、ここ一ヶ月ほどまさにドツボにハマった状態だったんだ。
 「まさか、お前、まだそのことで俺を疑ってるわけじゃねぇだろうな。マジで今回のことは…」 
 「あ、違う違う。誤解は解けた。って、いうか、疑ってごめん。このことも謝らないといけなかったね」
 「……ああ」
 素直に謝られれば、いつまでもこだわることもない。 
 が、よくこいつ、俺への疑いを解いたな。
 自分でもやりかねない行動なだけに、牧野のアッサリとした態度が逆に不審だった。
 さすがに息も整ったのか、シーツを裸の胸元まで引き上げて、俺へと牧野が向き直った。
 見るともなく、そのシーツに隠れた胸元の淡いを目で辿る。
 やべぇな。
 さっきヤったばかりだというのに、もう下腹のあたりに凝おり始めている欲望の熾火を自覚する。
 実際、こいつを抱いたのも2ヶ月ぶり。
 一回や二回で満足できるわけもねぇんだよな。
 今、手を伸ばしたら、…きっとこいつはまたヘソを曲げちまうんだろうな。
 こいつ的に大切な話をしている時に、それはさすがにマズイ。
 「えっとね、結論から言うと、あたしの就職妨害をしていたのは、あんたのお母さん」
 「はあ?ババア?」
 牧野の口から飛び出した、あまりに意外な人物の名称に、不埒な願望も吹っ飛んでつきものが落ちた。
 「そ。でね、さっきまであんたのお母さんに会ってたの」
 ……おいおいおい、マジかよ。
 意外な言葉の連打に、あんぐり牧野を見つめているしかできない。
 「でね、3つの選択肢を出されたの」
 「………」
 またとんでもない無理難題を押し付けてきたんじゃねぇだろうな。
 そのわりには、妙にスッキリとした牧野の顔に、首を傾げつつ、牧野が言葉を継ぐのを待つ。
 「一つは、あたしが大学を卒業して、すぐにあんたと結婚をする未来」
 「……ババアがそんなことを?」
 そりゃ、俺が約束の4年間をやり遂げれば、俺の将来については口を出さないって約束だったし、今の俺はガキの頃の俺じゃねぇ。
 口を出されない程度の成果も出しているはずだし、今や俺自身の実力で周囲を黙らせられるくらいにはなっている。
 だが、それはそれ。
 俺と牧野の間をさんざん邪魔したあのババアがと思うと、にわかには信じられない。
 けど、牧野が嘘を言う必要もないわけだし、狐に摘まれた気分だが牧野がそういうのなら本当なんだろう。
 「その道を選んだ場合の条件もいくつか伺った」
 「…そうか。それで?」
 三つっていうんだから、他にもあるんだろ?
 「後の二つはすぐに結婚することは許可できないけど、道明寺HDに入社して、仕事をしながら道明寺家の嫁としての教育も受けなさいって」
 「……道明寺HDに」
 もちろん、牧野が仕事をしたいというのなら、その道しか選択肢はないって俺の念頭にもあったことだ。
 けど、その考えもここ2ヶ月の仲違いで変わってきてもいた。
 何が一番大切なのか。
 それを考えれば自ずと答えは出るもんだもんな。
 「道明寺HDに就職したとしても二つの道があるって」
 「………」
 「一つは…あんたのお母さんの秘書となって、西田さんの薫陶を受けること」
 「…っ!」
 ババアの…!?
 まあ、西田の下に就けるっていうのはたしかにさほど意外なことでもないか。
 仕事を覚えさせるならあの男の下に就ける以上に最適なことはないし、これ以上にない教育係には違いなかった。
 かくゆう、この俺もあいつに育てられたようなものでもある。
 それだけでババアの本気が知れた。
 「で、もう一つは、あんたの秘書となって、あんたの仕事とあんたの立場を理解すること」
 「………なるほど」
 よくもそんな道が用意されていたものだと、逆に苦笑する。
 たぶん、その道は牧野が選ばない、そんな目算があってのことだろうな。
 「で?お前はどうしたいんだ?」
 なんだよ?その顔は。
 キョトンとした牧野の顔は、俺がどれにしろと命令してくるもんだと思ってたと言っていた。
 まあ、お前が選んだ道なんて、言われなくてもだいたい予測済だけどな。
 「……いいの?」
 可愛く伺いを立ててくる。
 …すげぇ可愛い。
 こんな時だけ素直だなんて、ホント、ずりぃ奴。
 おかげで反対なんてできるはずもない。
 「どれを選んでも、お前は俺の嫁になるんだろ?」
 サッとピンク色に頬を染めて、頷いてくれるお前が愛しい。
 そんなことで照れて、嬉しそうに笑ってくれたら、何も言えるはずがないじゃねぇか。
 「お前に任せる。お前のしたいようにしろ。…俺が全力でお前をサポートする。お前の気の済むように、自信がつくまで待っていてやるから」
 「道明寺」
 「守るって言っただろ?」
 真っ直ぐに俺を見る大きな目に、俺が…俺だけが映っているのが嬉しい。
 だから、
 「その言葉は、通り一遍の意味なんかじゃねぇぞ。お前の体や心だけじゃなく、お前の勝気さや意地も守ってやる」
 たしかに、俺に守られてるだけのお前は俺の惚れた『牧野つくし』じゃないのかもしれないと思う。 
 たとえどんなお前だって、お前には違いないけど、俺は勝気で意地っ張りなお前に惚れたんだ。
 だったら、その意地っ張りなところでさえも、守ってやるのが男ってものだろ?
 「忘れるな、お前の背中には必ず俺がいる。…お前が本当にやりたいことだったら、なんでも俺が助けてやる。反対しねぇし…邪魔したりしねぇ」
 「……うん」
 「それが俺にとって、お前を愛するってことだ。お前が俺の傍にいてくれる…それ以上に望むことなんて、俺には何もねぇんだからな」




~Fin~





◇更新情報他雑文 『こ茶子の日常的呟き』へ






↓ランキングの協力もよろしくです♪
ブログランキング・にほんブログ村へ 💛 
いつも応援ありがとうございます^^!

web拍手 by FC2






関連記事


総もくじ 3kaku_s_L.png イベント
総もくじ 3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ 3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ 3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ 3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ 3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ 3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ 3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ 3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ 3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 倉庫
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント
総もくじ  3kaku_s_L.png だから今日も I'm so happy…百回分の花をあなたに
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【司×つくし】******
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛してる、そばにいて
総もくじ  3kaku_s_L.png 百万回の微笑みを愛の言葉にかえて
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽のあたる処でシリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png Fly me to the havenシリーズ…36話完
総もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ…全171話完+α
総もくじ  3kaku_s_L.png ******【類×つくし】******
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話+
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編+
総もくじ  3kaku_s_L.png パッション…①24話②22話完
総もくじ  3kaku_s_L.png 陽だまりの詩シリーズ(短編集)
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【総二郎×つくし】****
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編-
総もくじ  3kaku_s_L.png ****【あきら×つくし】****
もくじ  3kaku_s_L.png 拍手小話^
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編^
総もくじ  3kaku_s_L.png ***【その他CP】***
総もくじ  3kaku_s_L.png 中・短編'
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ストック
もくじ  3kaku_s_L.png R短編集
もくじ  3kaku_s_L.png アネモネ R
もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛の品格 R
もくじ  3kaku_s_L.png 愛妻生活 R
  • 【意地張ってんじゃねぇよ!29】へ
  • 【一日遅れのハッピー・バースディ01】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

なんてステキなお話( ;∀;)❤︎
2人の絆に感動です!こんな素晴らしいお話を読ませて頂きありがとうございます!
この続きも読みたいな〜^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【意地張ってんじゃねぇよ!29】へ
  • 【一日遅れのハッピー・バースディ01】へ
にほんブログ村 小説ブログへ💛
スポンサーリンク