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Angel Road ~永久に二人でゆく道~(献上作品)~17話完

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 岩陰は炎天下にも関わらず、岩の絶妙な塩梅かかなり涼しかった。
 とはいえ、まだまだ中天とは言えない太陽の昇り具合からして、さらに気温はあがりそうで、もっとも日が高くなる時間帯になればのんびり座ってるのも辛くなることだろう。
 「珍しくへたばってんな」
 「あんたの方こそ、文句言いそうなのに暑くないの?」
 むしろお坊ちゃま育ちで、環境に甘やかされて口煩そうななのは司の方で、雑草育ちのつくしの方が気候の変化には我慢強いはずなのに、これではまるで逆のようだ。
 …いやいや、あたしだって別に鉄人じゃないんだから、暑い時は暑いけど、我慢できるってだけだし。
 ようは妙に司の方が元気なのだ。
 「暑いぜ?でも言ったろ?俺もいろいろ経験させられちまってるし、ここ数日、この炎天下にクソ面白くもねぇ視察で連れ回されてたしな」
 「ああ、なるほど」
 昨日半日付き合っただけでも、けっこうキツかった。
 それでもつくしの場合は、様子を見て気を使われ車で残っていたりもしたからそれほど大変でもなかったのだ。
 「そんなのに比べたら、気力が全然違うもんだぜ」
 「はは、なるほど…あんたも頑張ってるよね」
 「おお、褒めろよ」
 「バカ」
 図に乗る男の頭を軽く小突いて、小さく微笑む。
 「三日前にも、ここ来てるんだぜ」
 「そうなんだぁ。無人島って言っても、けっこう人の住んでる他の島と近いよね?」
 そこかしこに人が行き来している気配がある。
 司がパラソルを立てる前にも、薪の跡があった。
 「けっこうガキどもが遊びに来てるみたいだな」
 「ここに?」
 「ああ。ちょっと距離あるけど、けっこうこの辺の連中は泳ぎも達者だからな。遠泳できる奴なら、来れるだろ」
 「て!泳いでくるわけ!?」
 恐れ入る。
 「なんならちょうど暑いし、俺らも泳いで帰るか」
 「む、無理っ」
 つくしもそれなりに泳げるが、さすがに足もつかないような沖合いを長距離泳げる自信などない。
 しかし、司の肩が揺れていた。
 「…また、カラかったわね」
 真剣に怖気づいて焦るつくしを、司はカラカラ笑って楽しんでいる。
 「なんでも大真面目にとるお前がおもしれぇからだって、いっただろ?」
 「もう!」
 「まあ、どうしてもってお前が言うなら、その手のイベント組んでやらないこともねぇが。素人がこの辺を単独で遠泳するのは無謀だな。シュノーケリングでも言ったけど、黒潮の影響でかなり波が激しいし、サメが出るかも知れねえからな」
 「サメッ!?…また、からかってる?」
 「いや、これはホント」
 近年地球の温暖化で関東圏でもサメの目撃情報があるくらいだ。
 昔から沖縄では数年に一度程度の割合ではあるものの、海水浴客やダイバーたちへのサメの被害は報告されていた。
 「ま、でも、一応、ここを開発する時に調べてるけど、島の周辺海域ではサメの出没は今のところ聞いたことねぇし、浜辺で泳ぐくらいは問題ないさ」
 「そうなの?」
 「海水浴も観光の重要な要素だから、そこはかなり慎重に調べてる」
 「そうだよね」
 長閑に見えても、そこかしこに危険は潜んでいるものなのだ。
 そして、もしも…を考慮せず不足の事態が起これば、財閥の不利益に直結する。
 様々なケースを考え、戦略を立て、そうした情報に常に気を配らなければならない立場に今の司はいる。
 …バリバリ仕事してるんだね。
 度々垣間見る、司の成長。
 「でも、それなら少しくらい泳ぎたかったな」
 せっかく沖縄まで来たというのに、つくしはまだ海に入っていなかった。
 一応は水着も、東京から持ってきている。
 けれど、ここに滞在するのは午前中だけだと言われていたから、船に水着や着替えを持ち込まなかった。
 しかし、これだけ綺麗な海なのだ。
 泳ぎたかったとつくしは残念に思う。
 「じゃ、泳ぐか?」
 「水着持ってきてないもん」
 「別にいらないじゃん」
 「え~、あんたはいいにしても、あたしはワンピースだよ」
 せめてショートパンツかなにかだったら、そのまま泳ぐのに。
 が…、
 「脱げば?」
 「はあ?」
 「ここだと、たまに通りかかる船もなくはないからなんだけど、少し奥まったところに行けば、この辺の岩壁は入れ組んでいて外からは見えねぇし?ちょっとしたヌーディストビーチだと思えばいいんじゃねぇの?」





 「痛ってぇっ!!」
 殴られた頭を抱えて悶絶する司をよそに、ぷんすか膨れたつくしが、一人パラソルから出て水辺へと歩く。
 「おいっ!俺を置いてくな!!」
 頭を撫でながら、司が小走りに追ってくる。
 「別にいいじゃん」
 「…いいわけあるか!」
 まったくなんてこと言うんだ、こいつは…。
 元々羞恥心が薄くて、人前でも平気で裸になったり(上半身だけだが)するような男ではあるが、ごく一般的な常識を持つ日本人のつくしにはとんでもないことだ。
 だが、ふと疑問が沸く。
 「あんた行ったことあるの?」
 「なにが?」
 「え…、ヌーディストビーチ?」
 「行くかよ。ただでさえ寄ってくる女どもがうぜえのに、誰がガン見されたいかよ」
 「………」
 普通とは逆バージョンというところか。
 もっとも、総二郎やあきらあたりだったら、平然と見せつけてナンパのネタにでもするのかもしれない。
 …あいつらもたいがい、普通とは言い難いものね。
 いろいろ知りすぎてる過去があるので、容易に想像ができる。
 「海に入っちまえば、どうせ見えねぇよ」
 「見えるわよ」
 「お前のトリガラな裸なんか、何度も見てんだから、俺は気にしないけど?」
 「…死ね」
 取り付く島もない。
 「やっぱ、ダメか」
 「………」
 「ま、これで応じたらお前じゃねぇもんな」
 残念そうでもあり、やはりただからかっただけのようでもある。
 それなのに、怒りにか羞恥にか、あるいはその両方なのか、ムキになってズンズン歩くつくしを見下ろし、ぽつりと司が呟いた。
 「前言撤回」
 怪訝につくしが、振り返る。
 「なにが?」
 「お前の裸見ても気にしないってやつ。襲いそうだから、無理だな」
 「なっ!」
 「これは、大マジ」






 司と二人、手を繋いで砂浜を歩きながら、波を避けて、燥いで…時たま落ちている綺麗な色の貝や小石を手にとってはつくしの手の中へと集めて微笑み合う。
 ちょうど、つくしが見つけた巻貝を拾おうと屈みこんだその時、司の弾んだ声が耳に届いた。
 「お、ちょうど良かったな」
 「…?どうしたの?」
 司が見つめる先、遥か向こう。
 浜辺の先を眺めて、つくしが驚きの声を上げた。
 「え…ええっ!?」





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