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Angel Road ~永久に二人でゆく道~(献上作品)~17話完

Angel Road 07 ~永久に二人でゆく道~

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 「えっとね、えっと、これはその…」
 不審気な顔の司がさっさとつくしの横をすり抜け、ベッドへと腰を下ろす。
 伸び上がって枕元の内線電話へ。
 「…一応、こんなところでもモーニングコールついてるんだな」 
 どうやら説明書きを読んでいるようだ。
 「え…、昨日もここに泊まったんでしょ?」
 「まあな。けど、わざわざモーニングコールなんて設定しないでも自動で目が覚めるし」
 「…へぇ」
 学生時代の彼からは本当に想像もつかない。
 見た目だけでなく、やはり彼は大きく成長しているのだろう。
 「明日は干潮の時間だけは抑えたいから、目覚ましかけておくか」
 普通は仕事のために目覚ましをかけるのはわかるが、その真逆の発想に頭痛を覚える。
 「…干潮の時間って、明日どこ行くつもりなわけ?島内観光でもするんじゃないの?」
 「ああ?そんなもん、今日さんざん引っ張りまわされただろう」
 「まあ、それはね」
 青年団の青年の言い草ではなかったが、かなり退屈極まりない内容ではあった。
 「こんな狭い島、他にせいぜい見るものつーたら、それこそ海に潜るしかねぇけど、ここらは黒潮の流れが急だからな」
 「…そういえば、昼間にもそんなこと言ってたっけ?」
 案内人と司の会話を思い出す。
 「俺はともかく、初心者のお前連れてはちょっとな」
 「…ちょっとは、やってみたかった気がするけどね」
 どうしても、というわけではなかったけれど、テレビなどで見る海の底の世界は魅力的だった。
 フッと司が相好を崩す。
 「珍しいな、お前がおねだりか?」
 「え?ええっ!?いや…おねだりっていうか、ちょっと興味あるってだけだから、気にしないで!」
 「いいじゃん。何やるって言っても、どこ連れて行ってやるっていってもお前、甲斐のない奴だからな。少しは俺を喜ばせろよ」
 「…え~」
 一番つくしが苦手とするところだ。
 「欲がないっていうのは、男からすりゃある意味つまんねぇもんなんだよ」
 「…欲がないってわけじゃないんだけど」
 ただ、それを司に言うのは酷なことだとわかっているだけ。
 司との時間が欲しい。
 彼とずっと一緒にいたい。
 たわい無い話をして、今日みたいに同じものを見て、食べて、楽しいと感じて…そんな毎日を過ごすことができたら。
 普通の恋人同士になりたい…なんて、たぶん司にとってこの世でもっとも難しいことなんだろう。
 それがわかっているのに我が儘なんて言えるはずもなかった。
 それでも…。
 「さて、そろそろ寝るか」
 「えっ!?」
 来たっ!
 あからさまに挙動不審なつくしの態度を司はどう思っているのか、固まっている彼女をよそにシャワーを浴びた時と同様、ポンポン衣類を脱ぎ捨ててゆく。
 先ほどそのだらしなさに顔を顰めたところだったというのに、とてもじゃないがそれをどうこう注意するどころか、ガチーンと固まったまま身動きできない。
 思考はもう…どうしよう、それしか思い浮かばず空転するばかり。
 ド派手なパンツ一枚になった司に、ポンと肩を叩かれつくしはあからさまにビクついた。
 「おい」
 「は、は、は、はひっ!?」
 「ぷっ、なんだそりゃ」
 「な、何って…何って、あんたこそ、何?!」
 上擦った声が裏返って、ただでさえ動揺しているというのに、そんな自分によけいにテンパってしまう。
 「……お前、そのまま寝る気かよ?」
 「えっ!?…あ………いやその……」
 …シャワーを浴びてこようか。
 いや、だからもう浴びてしまったって。
 あれやこれやと思い悩んで、けっきょくどうすればいいのか名案が浮かばない。
 素晴らしく良いスタイルを晒したまま、しばしそんな彼女の逡巡を眺めていた司だったが、ふうっと溜息をつき複雑な顔で苦笑する。
 「…お前な。なんか勘違いしてんじゃねぇの?」
 「………」
 しょうがねぇな、というような司の声に、おそるおそるつくしが振り返る。
 気負っている彼女をよそに、司はあくまでも自然体。
 まあ、パン一…それもよりによって目にも痛いくらいのもの凄いメンズビキニ姿にはちょっと仰け反るが、いまのつくしにはそのことを咎める余裕もなくただ顔を真っ赤に染め、視線を泳がせるだけだ。
 「いくら遠距離でずいぶん会ってなかったからって、お前、俺って男がどんな男だったのか忘れちまったんじゃねぇだろうな」
 「………え?」
 司の言いたいことがわからない。
 …どういう男って。
 小さく笑って、司がさっさとベッドに乗り上げ、先にシーツの中へと潜り込む。
 そして脱衣場へと顎をしゃくって、
 「お前のことだから、パジャマくらい持ってきてんだろ?ないなら、別にマッパでもいいけど」
 「ばっ!露出狂のあんたじゃあるまいし、裸でなんか寝ないわよッ!」
 「露出狂ってな…。裸の方が開放感あるし、気持ちいいじゃん…まあ、ここのごわごわの寝具じゃ、パジャマ着てた方がマシかもしんねぇけどさ」

 うんざりしているようなのは、本音だからだろう。
 「それはともかく…、お前がその気になんねぇのに俺が襲ったりするとか、お前マジで思ってんのかよ?」 
 「…え?」
 つくしが目を瞬かせるのに、憮然として背を向ける。 
 「そりゃ…期待してなかったつーたら嘘になるけど、それは仕方ねぇだろ?」
 「…………」
 背を向けた司の広い背中を何とも言えない気持ちで、つくしはジッと見つめる。
 「お前にめちゃめちゃ惚れてるから、正直すげぇお前を抱きたい」
 「……っ!」
 「けど、…惚れてるからこそ、お前の覚悟ってやつができていないのに手を出したりするかよ」
 「道明寺」
 「昔、待つって言ったろ?」
 「……うん」
 「俺が約束したことに二言はねぇんだ」
 何とも言えない気持ちがつくしの心を満たす。
 司の言うことが痩せ我慢であることなど、互いにわかってる。
 「てことで、俺、疲れたからもう寝るぞ。お前も着替えて来い」 
 「…わかった。おやすみなさい」
 つくしは動かない司の背中を見つめ、溜息を落とす。
 疲れたと言われてしまえば、いつまでもウダウダと追いすがれない。
 その背は断固としていて取り付く島がないように思えた。
 …待って欲しいんじゃない。あたしだって。
 そう思うのに。
 とてもじゃないけれど、自分からそんなことは言えない。
 そして…覚悟はできているはずなのに、自由にならない自分の体と…意気地のなさが恨めしかった。 





 司の脱ぎ捨てた衣類をざっと片づけ、クローゼットでゴソゴソとやって、しばらくしてからつくしが脱衣場へと入っていった気配に、司がムクリとベッドの上に起き上がった。
 そして、額を押え…そのまま両腕で頭を抱え込む。
 「…ハアッ~~~」
 ああは言ったものの、男の生理は痩せ我慢だけでなんとかなるものではない。
 ましてや、惚れに惚れまくった女と同衾するのだ。
 それで言葉通り平然とできたら、司はいますぐにでも悟りが開けることだろう。
 もっとも…総二郎やあきらに言わせれば、十分司のつくしへの忍耐力は常人を超えてると太鼓判を押してくれるかもしれなかったが。
 「マジでやばいぜ」
 襲うつもりなど欠片もなかったけれど、絶対に襲わないでいられるという自信が実はない。
 つくしが傍に寄り添い彼女自身の甘い匂いを感じるたび、微笑みかけられるたび、ワンピースから覗く素肌の艶めかしさを目にするたびに、動悸打つ正直な心臓や熱い下半身が彼に訴えかける。
 …こいつが欲しい。
 その甘やかな白い肌に触れて、あえかな声をあげさせたい。
 柔らかな彼女の肢体を味わいたい…と。
 かといって、襲わない…と言い切ったのだ。
 いまさら、別の部屋で寝るなど司のプライドが許さない。
 それ以前に…少しでも彼女と一緒にいたい気持ちに逆らうことなどできる相談ではなかった。
 …せめて、ツインにするんだったか。
 後悔先に立たず。
 どうやら眠れぬ夜を過ごすことになりそうだった。



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