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Angel Road ~永久に二人でゆく道~(献上作品)~17話完

Angel Road 02 ~永久に二人でゆく道~

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 優紀からもらった紙袋の中身は、やはり予想通りのブツばかりで。
 コンドーム、潤滑ローション!?、初体験完全マニュアルなる怪しげなDVDが入っていた。
 案内されたジェット機の快適なシートでおそるおそる覗いたその瞬間―――。
 一目見て、誰にも見られている心配などないというのに、変な汗をかいた。
 押し潰す勢いで旅行鞄の最深部へ。
 …な、なんて余計なお世話なものを。
 いやいや、友人たちの友情はわかる。
 以前にも女子会メンバーで、滋の家の別荘に遊びに行った時も、そんな話題が出たのだ。
 その時にも…、
 『けっこう初体験同士って、失敗しちゃうことあるんですよね』
 酒が入れば女たちも、たいがいそういう方面に話題は流れてゆくのは定石だ。
 桜子や滋、数は少ないものの優紀の体験談のうちは良かった。
 そのうちに、奥手ではあっても別にごく普通の成人女性並みの興味はあって、ふむふむと聞いていたつくしにもお鉢が回ってきたのが運の尽き。
 『え?嘘、まさか、本当にいまだに勤労処女なんですか!?』
 『…そりゃそうか。遠恋でほとんど司と会う機会なんてなかったんだもんね』
 『つくし…』
 同情した?彼女らに、いらぬ知識をあれやこれやと吹き込まれ…。
 すっかり怖気づいたつくしが、しばらく司からのテレビ電話におかしな態度をとってしまい、彼が悩んだ時期があるのはまた別の話。
 さすがにその時の失敗には、桜子や滋も反省したらしい。
 しばらくその手の話題は避けられていた。
 そして今年の夏休み。
 二人は現在付き合っている彼氏と海外バカンスに出かけていた。 ところがその間に、なんとつくしにも訪れた『初体験のチャンスッ!?』もとい『遠恋中の彼氏とのあま~いバカンス』の話。
 慌てて優紀へと、送りつけてきたというから呆れた話だ…いや、感謝するところ??
 …て、いうか、早すぎでしょ。
 つくしだって司から、沖縄での仕事の予定を聞いたのは先週のことだ。
 それが単なる仕事になるか、あるいはつくしとのバカンスを兼ねたものになるかは、彼女のバイトの調整如何という話だったので、本決まりは実に2日前。
 そのバイト先で優紀に話してしまったのだが、優紀から桜子へと話が伝わって、その結果、海外から桜子が自分の邸に連絡を入れ、当該のブツを用意して、使いの人間が急遽優紀の家へと訪れたらしい。
 直接つくしの家ではなかったのは、おそらく一目見て、アパートに置き捨ててくることを危惧してのことだろう。
 「……なに考えてるのよ、まったく」
 「はい?」
 ちょうど飲み物のサービスに訪れたCAが、つくしの独り言に首を傾げる。
 手の中のブツを覗かれる危機に、つくしが飛び上がった。
 「え?い、い、いえ、なんでもないです!なんでも……痛ったあぁぁっ!?」
 「だ、大丈夫ですか?牧野様ッ!?」
 泡食ったつくしが急いで旅行鞄のファスナーを閉めたために、指を挟んだのだ。

 …うく、か、かなり痛い、かも
 そりゃそうだろう。
 ジンジン痺れてまだそれほど痛みを感じてはいなかったけれど、それでもファスナーの形に凹んだ指の腹が赤く腫れ始めている。
 それでも心配で顔を青ざめる周囲に、つくしは挟んだ指先を咥えつつ、ニッコリ笑う。 「へ、平気です!ちょっと赤くなっちゃったけど、これくらい大丈夫!はは、ははは」
 「た、大変ですっ!ま、牧野様がお、お、お怪我をッ!!」
 「なんてこと!?く、空港に連絡してお医者様ッ!!」
 「…救急車の手配をした方が良いのではないでしょうかっ!?」
 機内は軽いパニック状態だ。
 面食らったつくしが、そんなとんでもないやりとりにギョッとして声をあげた。
 「えええっ!?大丈夫ですってばっ!!」
 「「「私たち、坊ちゃんに、こ、殺されますぅ~~~」」」





 なんだかよくわからないことで寝る暇もなく、到着した沖縄の空。
 せっかくもらったハウツーDVDだが、そんなものを見る暇もない(公共の場?で鑑賞する勇気があればだが…)。
 同封されていたメモ書きには、『もし一人で観るのが何でしたら、道明寺さんとご一緒に』などと書かれていたが、もちろん、そんなとんでもないことなどできるはずもなかった。
 …てか、二人だって、わかってるはずなのに。
 もしかして、単なる嫌がらせ?
 ちょっと荒んだ考えが思い浮かぶ。
 おそらく沖縄から帰って速攻、押し入れの奥深く、もしかしたら引っ越すその日まで、二度とお目見えすることもないだろう。
 「うわ、同じ日本国内だなんて信じられない」
 真っ青な空は遠く青く澄んで、雲一つ遮るものなくサンサンとした太陽の光が地上を照らして目に眩しい。
 南国のカラッとした夏のイメージとは異なり、さすがに日本!
 むしろ湿度は東京よりも高く、物凄くジメッとしてはいる。
 それでもこうして外にいると吹き抜ける強い風が熱気を払い、一時とはいえ爽やかな清涼感を運んでくれていた。
 一口に『沖縄』と言っても、沖縄群島の一つであるというこの島は、東京に匹敵する大都会である那覇とはまるっきり雰囲気からして違って、まだまだ地平線も横に長く、つくしのイメージする南国のノスタルジックな雰囲気を留めていた。
 「…すごい素敵」
 「そうか、何もないところだぜ?」
 「えっ!?」
 空を眺めたままよほどボケッとしていたのだろうか。
 滑走路に降り立ち、声をかけられるまでまったく気配に気がつかなかった。
 あれほど会いたかったのに、なぜかすぐに背後を確認するのを躊躇して振り向けない。
 「空路での行き来が出来るとは言え、それでもまだまだアクセスには不便なところだしな。ここは人間よりもコウモリだの、鳥の方がよほど多く住んでる島なんだぜ」
 「………」
 …後ろを確認するのが怖い。
 さっきまでは、そんなこと欠片も思わなかったのに、突然につくしの脳裏を支配した想い。
 この2年、会いたくても、会うことができなかった、つくしの心を常に占めていた男。
 テレビ電話や携帯電話ではそれなりにマメに連絡を取り合えていたと思う。
 忙しい最中、それでも司が精一杯努力してくれていたのはつくしもわかっているし、真夜中の電話に文句を言いつつも待っていたつくしの気持ちも司はわかっていてくれていただろう。
 それでも、逢いたかった。
 電波ごしではない顔を見て、声を聞いて、触れて、触れられて、互いの温もりを感じられる距離が恋しい。
 何度も彼の夢に見て、それが夢だとわかった時の落胆。
 最初は笑い含むようだった司の声が、何の反応も示さず振り返ろうともせずに沈黙を守るつくしの後ろ姿に怪訝にイラだつ。
 「…おいおい、どうしたよ?まさか、俺の声を忘れたわけじゃねぇよな?」
 「………」
 それでもまだ、つくしは振り返ることができなかった。
 「おいって!こっち向けよ、牧野!!」
 ジレた司が、つくしの華奢な肩を掴み、強引に振り向かせる。
 「…っ!?」
 口元を押さえて嗚咽を堪えていたつくしの、大きな眼から大粒の涙が流れて、ポツリとアスファルトの地面に小さなシミを落とした。
 「わ、忘れる、わけ…ないじゃん」
 「………」
 「ちょっと、目にゴミが入ちゃって、返事が遅れちゃっただけ…なのに、あんたうる…さ…」
 皆まで言わせずに、司がつくしを柔らかく抱きしめる。
 「……久しぶり」
 「うん」
 「元気してたか?」
 「うん」
 広くて大きな胸。
 強くて逞しくて…それなのにまるで壊れ物のように柔らかく抱きしめてくれる腕。
 あやすような優しい声音。
 夢にまで見た司がここにいる。
 ここにいて、つくしを抱きしめてくれていた。
 「手、どかせよ。顔が見えねぇ」
 「…無理。あんたのシャツに鼻水ついちゃう」
 「ぷっ。それくらいいいって。上向け、キスできないだろ?」



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