「それでも貴方を愛しているから…全97話完+α」
第一章 悪夢再来

それでも貴方を愛しているから001

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 「えぇ~!つくしと道明寺さんって、まだだったの?ふ、ふが、ふが」
 「ゆ、優紀、声がデカイ!!」
 咄嗟に優紀の口を押さえたものの、声はもれていたようで、宴会芸にヤジを飛ばしていたバイト仲間の柏原が、振り返った。
 「なんだよ?」
 それに何でもないと、邪険に手を降り、不信気に見つめる柏原の追求をかわす。
 今日は優紀とあたしがバイトしている学習塾の歓送迎会。
 わりと同世代の大学生や院生が多いせいか、大いに盛り上がり、優紀とあたしがその端っこでこんな打ち明け話をしていても関心を惹かないほど、みんな出来上がってしまっている。
 それでも、突拍子もない大声を上げれば、視線を集めてしまうこと請け合いだ。
 「ゆ~う~き~」
 「あはは、すいません」
 もう、勘弁してよ~。
 彼氏との夜の生活を、赤裸々にこんなところで暴露するハメになるなんて冗談じゃない!
 「でも、道明寺さんが帰国して、もう半年くらいになるよね」
 そう、約4年の遠距離恋愛を得て、はれて道明寺コーポレーション日本支社長兼副社長となった道明寺が帰ってきた。
 いままで離れていた時を取り戻すように、あたしと道明寺は逢瀬を重ねて…というわけには問屋がおろさなかった。
 なんせ、NY時代もそうだったけど、道明寺の地位と立場は公私を分けないほどの激務で、土日だってあってなきがもの。
 会社の休みの日だって、やれ出張だ、パーティだと分刻みのハードなスケジュール。
 道明寺つきの秘書・西田さん(もともとは社長つきだったけど、道明寺の日本支社長就任に伴い、NYからついてきた)によれば、この殺人的なスケジュールも、道明寺が就任直後ゆえのこと。
 いずれは沈静化して、それなりに休暇もとれるようになるとこのことだったけれど。
 で、道明寺とあたしはといえば、だいたい1~2週間に一度のスケジュールで会っていた。
 相変わらず失業と就職を繰り返すパパのために、我が家の収入は安定していない。
 それでも、あたしの学費は全額道明寺が支払ってくれて、弟の進も今年から奨学金をとって国立大学に進学し、あたしと同程度のアルバイトに精を出しいている。
 そのため、以前ほど生活に汲々とすることはなかった。
 しかし、それでも普通の大学生よりは忙しい毎日を送っていた。
 だ・か・ら!道明寺が帰国して半年!って言っても、そう大した密度で会っているわけじゃない。
 もちろん、一応?道明寺とあたしも若い恋人同士。
 そういった雰囲気にまったくならないわけじゃないけど、なんとな~く、なんとなくだよ?気恥ずかしさや戸惑いが先んじてしまって、いわゆるそういうチャンスを逃してしまっていた。
 「よく、道明寺さん、我慢できているねぇ。つくしって、けっこう残酷?」
 「…え~、そ、そんな残酷なんて」
 「だって、道明寺さんとはもう高校の時からの付き合いだから、5年?その上、婚約までしてるんでしょ?」
 5年…うわ、なっが~。もう、そんなになるんだ。
 確かに歳月だけは、大したもんだと思うけど、そのうち4年以上がNYと東京。
 時差11時間の距離で、それなりの頻度でメールや電話で連絡を取り合っていたとはいえ、直接会ったのって、静さんの結婚式と、あたしが階段から頭を打って救急車で病院に運ばれた時の2回だけなんだから、
それって付き合っていた間に換算いていていいのか微妙なところだと思う。
 それに、婚約している…て言ったって、それは道明寺とあたしのあくまで口約束。
 そう、優紀に言うと…、
 「何言ってるのよ、あんなでっかいダイアモンドの指輪もらっておいて!それに今時、出会ったその日のうちにベッドインなんていうのも普通にあるんだから、半年も会おうと思えば会える距離にいて、そういう関係になっていないなんて、異常よ、異常!」
 いえ、その日のうちになんて、さすがにそんなに普通じゃないと思います…ああ、西門さんや美作さんあたりだったら確かに普通なのかも。 
 容易にその例を、身近な人間で思い浮かべられて、ちょっと複雑な気分になる。
 優紀も、わりとあたしと近い価値観だと思っていたけど、西門さんとイロイロあったこともあるんだよね、そういえば。
 一方的に捲し立てられて、よほど微妙な顔をしていたのか、優紀の勢いが穏やかになった。
 「まあ、道明寺さん、つくしのことすっごい大事にしているもんね。つくしが少しでも不安がったら、無理強いなんて絶対しないんだろうねぇ」
 あんなにカッコイイ人なのに、と優紀はちょっぴり羨ましそうに苦笑した。
 確かに、我慢させているんだろうな、とは思う。
 あの顔に、あのスタイル、人より数段イイ容姿に加えて、地位、財力、能力。
 どれをとっても超一流の男だ。
 いくらでも女なんて選び放題。
 奴がちょっと目配せをしただけで、いくらでもすり寄ってくる美女が山をなしてもおかしくない。
 そんなあいつが、あたしに純愛を捧げて、あたしの気持ちをいつも優先して男の本能も我慢してくれる。
 西門さんや美作さんだったら、いつ浮気されるかと不安になるところなんだろうな。
 「…わたしの奥手度って、普通じゃないよね」
 思わずため息がもれる。
 「道明寺さんのこと好きなんでしょ?」
 「…うん、すっごく」
 本人の前では絶対言えないけど、自分では道明寺に負けないほど、めちゃくちゃあいつに惚れていると思っている。
 今もお酒が入っていて、気の置けない優紀にだからいえる言葉だけど、あいつの甘い顔を見ているだけでドキドキして、ついつい思ってもいない突っ張ったセリフを吐いて、他愛無い口喧嘩をしてしまう。
 あいつはあいつで、自己中、俺様な男だから、ますますヒートアップしてしまって、気が付けば甘い雰囲気も吹っ飛び、いつもの喧嘩友達的スタンスが貫かれてしまっているというわけだ。
 「まあ、焦ることないよね。ずっと、直接会うこともできない遠距離恋愛だったんだもん。つくしはつくしのペースで行けばいいと思う。きっと、道明寺さんも待っていてくれるよ」
 「…うん」
 「お~い、牧野に松岡、何、二人でそんな端っこで深刻な顔して座ってるんだ~?こっちきて呑めよ~」
 「ええ~?もう、十分に呑みましたよぉ。高田さんたちのペースに付き合ってたら、潰れちゃいますよ!」
 「おお!おお!!潰れろ、つぶれろ!女の子は、この俺が責任もって連れ帰っちゃる。安心だろ~」
 もうすでに相当出来上がっている、塾の正社員で教務主任の高田さんが真っ赤な顔で威勢よく胸を叩いた。
 「やっだ~!高田さんなんかに介抱を任せたら、セクハラされまくっちゃう~」
 きゃあきゃあと古参の塾教師の女性アルバイターたちが、高田さんをからかう。
 「なにおう!よし、こうなったら二次会でこの俺の男気を得と見せてやるぞ!!!」
 「あ~、いえ、ホント、あたし、これ以上呑んだらちょっと明日の講義でれなくなっちゃうんで帰ります。優紀も帰るでしょ?」
 「うん、うちは門限あるから。あ、そろそろヤバイかも」
 優紀が腕時計を見て、慌てたように座敷を立ち上がった。
 「おお~、もう11時か。この辺、繁華街の中心に近いから案外、ヤバイか。おい、誰か牧野と松岡、駅まで送って行ってやれ」
 「あっ!はい。俺も、明日抜けられない講義あるんで、二人送りがてら帰りますよ」
 立ち上がったのはお祭り男の柏原。
 こんな塾講師のバイトとは思えない、体育会系の男子だった。
 色が黒くて、ガッシリとした体格をしている。
 確か、中学生の時からラグビー一筋、体育教師志望の大学4年生だったかな?
 彼も相当出来上がっているようで、顔は真っ赤だったけれど、受け答えや足並みはしっかりしている。
 「あ、あたし、家近いんで、電車乗らないんですよ。だから、一人で大丈夫です。柏原くん、つくしと帰ってあげて?」
 「あ~、そ、そっか…」
 ガックリと残念そうに項垂れているのは気のせいではないんだろうな。
 確か、夏休みの直前に、柏原から交際を申し込まれたって優紀が言っていた気がする。
 その頃、大学の先輩と優紀は付き合いを始めていて、けっこう友達としては気が合っていたみたいだけどキッパリと断ったらしい。
 優紀は柔和で温厚だから、一見優柔不断に見られがちだけれど、ここぞというところでは決断力のある子なんだ。
 あたしから見て、その後、柏原は優紀にバイト仲間として、一定の節度ある態度で接していて、悪い奴じゃないと思うだけにちょっと残念だった。
 優紀の男の趣味って、あたしから見てちょっと難なんだよね。
 本人も言ってたけど、あの今思い出してもクソ忌々しい中塚だか、中里といい、その後、好きになった西門さんといい。
 見た目的にはわりとメンクイなのか、優男系のちゃらい男が好みなんだよね。
 まあ、西門さんを好きになった後、何人か付き合ったりもして、さすがに中塚のようなロクでもないのに引っかかったりはしなかったみたいだけど、柏原、おちゃらけだけど真面目で一途な奴なのにな。
 「あ~、でも良かったら、柏原、優紀を送って行ってやってくれないかな?繁華街って言ったって、駅の周りは人通りもあるし、すぐそこだもん。優紀の方は電車に乗らなくてもいい距離って言っても、逆に繁華街の真ん中突っ切って、ちょっと歩くじゃない?途中、薄暗くて気味悪い通りもあるしね?」
 「はは、大丈夫、大丈夫。あたしに付き合ってたら柏原君、最終に間に合わなくなっちゃうよ?明日の講義休めないんでしょ?悪いもん。それにまあ、確かお父さんが今日は家にいるはずだから、帰りながら迎えに来てくれるように電話するよ」
 「そっか、じゃあ、気を付けて帰れよ?牧野行こうぜ」
 心底残念そうに…と思うのはあたしの穿ちすぎ?柏原は、あたしを促した。

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