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「中・短編-」
Better Sweet Angel…9話完

Better Sweet Angel 01

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Better Sweet Angel

 CPは総二郎×つくし。
 つくし大学3年生、総二郎、類、あきらは大学4年生、それぞれ学業と家業の二足草鞋。
 原作・司が記憶を失ったまま高校3年生の時にNYに旅立ち、それから4年。
 かろうじてF3とは連絡をとりあっているが、つくしとは完全に音信普通。
 F3とつくしの間は友人同士。
 総二郎とつくしもまた親友以上恋人未満?どちらかといえば、総二郎の片恋か?
**********

 「結婚?マジかよ、兄貴、いくつ年離れてると思ってるんだよ」
 「お前の一学年下だから、6才くらいか。別に言われるほど年が離れてるとか思わねぇけど?」
 兄の言うとおり。
 それを言うなら、よほど節操のない付き合いを繰り返す自分の方が責められてしかるべきなのだろう。
 「………」
 「まあ、近いうちに両家で顔合わせすることになるから、お前もスケジュールの調整の方を頼むよ」
 「…ハァ、オヤジたちはいいのか」
 それ以上、総二郎が口を出す筋合いなどないことこそ確かなことで。
 「俺は家を出た人間だからな」
 「……」
 「お前には悪いと思ってる」
 「何を今更」
 西門の家に生まれて、その宿命から逃れることを選ばなったのは自分の怠惰ゆえだ。
 将来なんて決められてしまっているから…。
 それを言い訳に刹那的な快楽に逃げて、戦おうとしなかったのは自分自身。
 それなのに、苦痛を耐えて戦い生まれながらの軛を打ち砕いて、自由を勝ち取った兄が、彼にそんな風に罪悪感を感じるのは不公平というものだろう。
 「…もっと、自由に生きていいんだぞ」
 「……」
 「茶は確かにお前にとって天賦の才がある以上に、お前自身も好きなんだろう。けれどそれ以外の全てに、自分を殺してまで付き合う必要なんてこれっぽちもないんだ」
 兄の目にあるのは、確かな自分への愛情で。
 だが、臆病で卑劣な自分には、ぬるま湯の中で揺蕩うくらいがちょうど良い。
 たとえそこが、手足を縛る牢獄に等しいのだとしても。
 「なに言ってんだか。…俺はいいんだよ。俺のことは気にしないでくれ」
 「総二郎」
 「……幸せにしてやってくれ」
 「……」
 「あいつはダチだ。司のせいじゃねぇけど、司のせいで長く傷ついて苦しんできたんだ。せめて…兄貴が大切にしてやってくれ」
 「いいのか?お前は…」
 「俺は…それでいい。勘定」
 スツールを降りて、カウンターに金を置く。
 こうしてカードではなく現金を持ち歩くようになったのは、確かにあの女友達の影響だったと総二郎はおかしくなった。
 「弟に払わせるわけないだろ?」
 「安月給の雇われ医者のくせによく言うぜ」
 「キッツイな、お前」
 兄の苦笑した顔は、それでも言うほどには気にしていないのだろう。
 …そりゃそうか。兄貴は夢を叶えた。自由になったんだ。
 そのために失ったものなど、なんの未練もないに違いはなかった。
 「…御祝儀だよ」
 「総二郎」
 「婚約おめでとう。…あいつにも、牧野にもそう言っておいてよ、義姉さんに」





 ブオオオオオォォォォ~。
 風を切る音がスピード感をなお身近にさせ、カーブを曲がる度に感じるGがワクワクと子供の頃に感じた喜びを彷彿とさせる。
 後ろに乗った彼女の腕がそのたびに彼の腰にギュッとしがみついて、その時だけフワリとした不思議な感慨に包まれた。
 他人を後ろに乗せて走るなど、彼女くらいなものだ。
 キキキキキィ~。
 ホッと息をついた彼女がしがみついていた彼の腰から腕を放して、後部座席から飛び降りるとメットを外した。
 「…はあぁぁ~、暑かった~。全然イメージと違うんだもん」
 総二郎もメットを外して、こめかみから流れてきた汗を、手袋を外した方の手の甲で拭う。
 まるでフルマラソンに参加したように、滝のような汗が全身を濡らして我ながら汗臭い。
 「…よくそんなスーツ着てて、暑くないわね」
 呆れたように肩を竦めてる彼女が、外したメットを渡してくるのを受け取って…、
 「バ~カ、暑いから汗だくになってんのに決まってんだろ」
額にピンッとデコピンを食らわせ、悲鳴を上げさせた。
 「…もうっ!西門さんったら、痛ったいなあ!迎えに来てくれたのはありがたいけど、毎回こうなんだから!!」
 「こうって?」
 「わざと乱暴に運転して、あたしのこと怖がらせてるでしょ」
 …憤慨してクルクル表情を変えるお前が可愛すぎるからだ。
とそう言えば、彼女はいったいどうするつもりなのだろうと、夢想して一人笑う。
 「ほら、そんな風に笑って…」
 「そんな風にってどんなふうに?」
 「悪ガキみたいな、してやったりって顔」
 「…悪ガキってか?お前、なにげに失敬な奴だな。大人の魅力で、あまたの女性たちを悩殺してきたこの俺のフェロモンがわからねぇのは、ガキのお前くらいだろ?」
 「ちょっ!」
 ふざけて彼女の細い腰に手を回し、強引に引き寄せる。
 間近に迫った彼の美貌に、顔を真っ赤に染めて、それでも大人しくならずに彼の顔に両手をベッタリとあて、逃れようとする彼女と小競り合い始める。
 「もうっ!!このガキ!!」
 「…ご挨拶だな、つくしちゃん。素直じゃない子はお仕置きだな」
 「いやあああ!この痴漢ッ!!変態エロ門ぉ~~~」
 「……なんか、すごい賑やかだな」
 間に割って入った笑い含みの声に、総二郎とつくしが引っ絡まり合いながら背後へと振り返る。
 いつの間にか、総二郎によく似た美貌の青年が門前に寄りかかって彼らを見ていた。
 「兄貴」
 「え?」
 「…なに?総二郎のカノジョ?」
 「違うよ、ダチ」
 「西門さん、こちらの方って」
 遠慮がちのつくしの背に手をあて、兄へと紹介する。
 「西門祥一郎、俺の兄貴。前に医者になって家を出た兄貴がいるって言ってただろ?」
 「初めまして」
 にっこり笑った顔が爽やかで、総二郎によく似ていたが、もう少しソフトにして線を細くした感じだった。
 「は、初めまして。牧野つくしです。西門さん…いえ、総二郎さんの後輩です」
 「後輩って英徳の?」
 問いかけられ総二郎が頷く。
 「……そ。前に言ったことあっただろ?高校の時からのダチだって」
 「ああ、もしかして、類たちとも友達なんだっけ?」
 「…そう。他にも何人か、な」
 つくしを促し、屋敷の中へと入ってゆく。
 「お前たちに類やあきら、……司以外に友達がいたとはな」
 「……」
 兄が驚くのも当然だろう。
 一見、社交的な総二郎だったが、実のところ気を許している相手は少ない。
 これも普通ではない西門のような家に生まれた宿命かと思えば、むしろ大人しい性格のこの兄の方が、人懐っこく友人も多かった。
 「牧野さん、こいつらって付き合いづらいでしょ?」
 「え?…ああ、まぁ」
 いくら物怖じしないつくしでも、さすがに当の本人の実の兄に肯定はしづらかったのだろう。
 だが、口ごもりつつも苦笑した顔が肯定している。
 「なんだよ、その微妙な顔」
 「…だって付き合いづらいのは本当のことだし、嘘は言えないよ。あわわわ」
 「ぷっ、正直だね」
 「そうなんだよ、俺たちにも遠慮しないし、こいつ凶暴な女で俺らを平気で殴る蹴るの暴力奮うんだぜ」
 「西門さんッ!!」
 いくらなんでもあんまりだと悲鳴をあげるのに、兄弟で笑う。
 「お前たちの紅一点ってわけ?」
 「いや、他にも何人かダチができたな」
 「へぇ?」
 興味津々な兄の顔に苦笑して、母屋の方へと顎をしゃくる。
 「類やあきらが、他の仲間を連れて来てるはずなんだけど?」
 「そうなのか?俺は今来たばかりだから…」 
 と、噂をすれば影、というやつだろうか。
 日本庭園そのものの庭を見に来たのか、母屋の方から歓声が聞こえて、思わず顔を向けた視線の先、滋が走ってつくしへと飛びついた。
 「わっ!」
 「おっそ~い、つくし、総君!!」
 「バイクで迎えに行ったわりには遅かったね。あれ?」
 類がおや、っと祥一郎に視線を向ける。
 「…久しぶり」
 「祥兄、帰ってたんだ」
 「あれ、本当だ。えらい久しぶりじゃね?」
 「まあね。お前たちも学生しながら家業を手伝ってるんだって?あきらは先月イギリスだったんだろ?」
 「…そうなんだよ。4年になって、学生だってこと忘れてるんじゃないかってくらいこき使わてるよ」
 「類はずっと日本?」
 「…ん、海外にはまだ当分行きたくないかな」
 「どちらせよ、学生のうちの本分は勉強だろ!?」
 しらじらしい言葉に、わっと皆で笑う。
 きゃいきゃい、わいわい、祥一郎を囲んであっという間にその場が賑やかになった。
 女性陣は新たに加わったイケメンに目の保養と楽しんで、それぞれに自己紹介を済ませて、祥一郎が首を傾げる。
 「あれ、君」
 その声かけに優紀が首を傾げた。
 「あ!」





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