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「中・短編」
恋のから騒ぎ…15話完

南の島の休日~あたしの男に手を出すな!⑤

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 バサバサバサ。
 明るい日差しと、海鳥の羽搏く音に、つくしはぼんやりと重い瞼を開けた。
 朝方に眠った体はまだ、心地よい眠りを欲していたけれど、わずかに開けた窓から入ってくる爽やかな朝の空気がむき出しの肩を撫でて、夏だというのに少し肌寒いくらいだ。
 まだ、日が高く上るには早い時間。
 ブルリと体を震わせ、深くベッドに潜り込もうと体を身じろがせると、逞しい腕が背後から伸びて、ギュウッと腰の当たりを抱きしめた。
 「…あ」
 昨日出しすぎて擦れた自分の声に、一人赤面する。
 さきほどから背中に触れる温かな温もりは、愛しい男の裸の胸で。
 ふんわりとつくしを包み込む甘いコロンの香りが、夢心地の彼女に、その温もりがいつもの切ない夢などではなく、本物の司なのだと教えてくれた。
 首の下の腕枕となっている男の手に、そっと触れてみる。
 大きな手。
 合わせて見ると、大人と子供くらいの違いがある。
 ほっそりとして長い指は、すこしゴツゴツと筋張っているが、とても優美で、今まで見たことのある男性の指の中で一番綺麗だった。
 この先司の指の他には、もうこんなに綺麗な指をした男の人の手に触れることはないだろうな、と感じて不思議な感慨を憶える。
 そもそも、司と比べて見劣りしない男など、この世でそうそう出会うこともないだろうけれど。
 司の指先を見ながら、なんとなくツンツンとしてみたり、起こさない程度に握ってみたり悪戯してみる。
 もう一度眠ることはできそうにもなかったけれど、この場所はとても心地よくて、もう少しこのまま司の胸に抱かれてゴロゴロしていたかった。
 もうちょっとだけ。道明寺が目を覚ましたら、あたしも起きるから。
 つくしのお腹に回っていた手が、上に上がって、つくしの小さな胸の上あたりに巻き付いた。
 えっ、と思ったものの、耳の後ろあたりにある司の顔からは、スースーという小さな寝息が聞こえている。
 起きてきたわけではないとわかって、ちょっとドキマギしたものの、疲れて眠っている司を起こすのも忍びなくって、恥ずかしいけれど我慢することにした。
 第一、今更だ。
 昨夜、この大きく温かな手が、どんな風に自分に触れ、熱くさせたかよく憶えている。
 初めての時には無我夢中だった行為も、二回目の昨日は、なおいっそう甘く、鮮烈だった。
 やだ、あたしったら。
 朝から思わぬほど艶めかしい想像をしてしまい、つくしは誰も見ていないというのに、激しい羞恥に掌で顔を覆った。
 さわ、さわ。
 素肌の胸の上を、司の手がさすった。
 ……。
 最初は寝ぼけているのかと、身を固くしてやり過ごそうとしたものの、その手つきは次第にハッキリとしてきて、大胆になり確かな意図をもって触れてくる。
 もみもみ、やわやわ、ぷにゅ。
 「…っ!!!」
 ガバッと起き上がって逃れようとしたつくしよりも、一瞬早く司が起き上がり、ベッドに仰向けた彼女に伸し掛かったままその胸に抱き込んだ。
 「ちょっ…、ん、もごもご、んんん」
 抗議しようとしたつくしの唇が瞬間に塞がれ、お互いの口の中に封じ込まれる。
 朝にしては濃厚なキスに、つくしは息も絶え絶えになり、やがては鼻に抜けるような甘え声を洩らすまで舐めまわされた。
 「はあ、はあ、はあ」
 真っ赤な顔で、荒い息をついたまま睨み付けるつくしの額に、額をつけて、超至近距離で覗き込んできた男の顔はどこまでも、蕩けるように甘く、優しい。
 その美しい黒曜石のような瞳に浮かぶ眼差しからは、愛しくてしょうがないというような、感情が溢れ出て、片意地を張っていたつくしの強情を溶かし込み、司に恋するただの可愛い女の子に変えてしまう。
 やだ、あたしのキャラじゃないっていうのに。
 そんな小さな心の声にも、自分を取り戻すことなどできるわけもなくって。
 「…はよ」
 寝起きに掠れた司の声がセクシーで、ゴクリとつくしは知らず唾を呑み込んだ。
 「お、はよう」
 チュ、チュ、チュと、額や、鼻、頬に軽いキスを落とされて、つくしはほんのりと頬を染める。
 そんな様子に、司も嬉しそうに笑って、かすかに頬を赤く上気させた。
 互いが互いのそんな様子が愛しく、とても幸せ。
 「大丈夫か?」
 「え?何が?」
 「えっと、その、昨日…体とか」
 「あ、ああ。うん、大丈夫だよ。…そのう、すっごく優しくしてくれたし、道明寺」
 照れながら交し合う会話に、互いが真っ赤になる。
 照れて、微笑んで、またぎこちなく会話して。
 そんな風に、幸せな朝は過ぎていった。
 ぐうううぅぅ。
 と、なったお腹の音に、つくしは赤面する。
 「くっ」
 クツクツと機嫌よく含み笑う司の裸の肩を軽くピシャリと叩き、つくしはシーツをまいてベッドから降りた。
 「いってぇな。照れることないじゃんよ。お前に色気がないのは、いつものことだろ?」
 「うっさいな。お腹すいちゃったんだから、しょうがないじゃん!もう、起きようよ」
 照れ隠しに乱暴に言いながら、つくしは足元に落ちていたバスローブを拾って、シーツの代わりに着込んだ。
 「シャワーを浴びてくる」
 「もうちょっと、ベッドでのんびりしてようぜ」
 伸びてくる手をピシャリと叩き落としながら、捕まらないように足早にドアに歩み寄る。
 「やだ。すっごいイイ天気なんだよ?明日は一日、道明寺、仕事の付き合いだって言ってたじゃん。今日一日しか自由時間ないんだから、少しは海で遊ぼうよ?こんなに綺麗な海なんだからさ。それとも、疲れちゃってて、寝ていたい?」
 心配そうな顔で遠慮がちに聞いてくるつくしの気遣いが可愛くて、多少の疲れなど吹き飛んでしまう。
 ホントのところは、つくしを腕の中に抱いて、ゆっくりベッドで一日中過ごしたいところだったけれど、さすがに久しぶりの逢瀬でそんな一日の過ごし方はあんまりだろうと、司も折れた。
 「いいよ、朝飯食って、海岸行こうぜ?ここの砂浜はすげえ綺麗だし、海も澄んでてけっこう間近まで熱帯魚とかも寄ってくるから楽しめるしな。午後からは街に出て、お前の好きなチープな雑貨屋でも見て、土産でも買おうぜ?」
 街の雑貨屋など司に無縁だろうに、つくしに合わせて楽しませてくれようとする気遣いに、ほんのりと胸を熱くさせられ、満面の笑みで答えた。
 「うん!じゃあ、早く、仕度しちゃおう!」
 「…あ、おま、そっち、風呂じゃねぇぞ?」
 ガチャリ。
 「お!はよっ。昨日はよく眠れたか?…って、熱い夜にそりゃ、野暮か」
 「ずいぶん、ゆっくりな朝だもんな。熱すぎて腰はガクガク、足腰立たねぇんじゃねぇかと心配してたが、案外平気そうだな?」
 勝手知ったる人の部屋…の居間で寛ぐ、お祭りコンビ。
 「……」
 ギギギギギ、と軋む音がしそうな動きで、つくしは司を振り返る。
 「どうした?」
 バスローブを羽織ってベッドから降りた司には二人の声が聞こえなかったのか、表情の固まったつくしを不審げに眺めて、開け離れたドアへと歩み寄った。
 「よ、司!念願の熱い夜過ごせて良かったなっ!」
 「昨日は、ちゃんと牧野、寝かせてやったか?いきなり、飛ばしすぎは引かれちまうぞ?」
 「まあ、どうせ数日のことだから、何とかなるかも知んねぇけど、毎晩野獣に襲われてちゃ、牧野も過労死しそうだよな?」
 「愛されすぎて、腹上死ってか?」
 ピシピシピシ。
 カアアアアッと一瞬で首から一気に顔を真っ赤に染め、司の額には青筋が浮き立つ。
 「~~~~~っ!!て、てめぇら、出てていけええええええぇぇ!!!!」
 「ぎゃあああああ」
 我に返り、完熟トマトのように真っ赤に赤面したつくしが絶叫すると同時に寝室のドアを閉め、司が逃げ回る二人を追い掛け回した。
 今日もまた、賑やかな一日が始まる。
 

 ビキニタイプの水着を恥ずかしげもなく着こなし、均整の取れた美麗なスタイルをさらした司が、つくしの手をとり、ホテルのプライベートビーチへと連れ出した。
 その3Mほど離れた後ろを、F2と彼らが昨日のうちにパーティでナンパしてきた女性陣が数人。
 それに付き従うSP及び使用人一行が、白銀の白浜に陣取った。
 シッシッと司が邪険に総二郎とあきらを追い払う仕草を見せ、二人に顰蹙を買う。
 「なんだよ、ツレねぇな、司」
 「うるせぇ、てめえら、いつも牧野と俺が二人っきりになるのを邪魔しやがって。半径10M以上近づくなってぇの!」
 「よく言うぜ。誰が、ここまで牧野を連れてきてやったと思ってるんだ」
 ぶーぶー抗議するも、司は鼻で笑って取り合わない。
 「お前らは、牧野だけ置いてさっさと帰ればよかったじゃねぇか。俺は、コイツさえいれば、後はいらねぇんだよ」
 「「…お前な」」
 あまりに身勝手な言い草に、さすがに長年慣れてはいる幼馴染み二人も呆れ果てる。
 「ちょっと、道明寺。いくらなんでも、それ酷いよ?いつも、あたしたちのことを心配してくれて、何かとフォローしてくれてるんだから、そんなこと言ったら失礼でしょ?」
 恋人繋ぎに握りこまれた手を恥ずかしがりながら、それでも嬉しそうについてきていたつくしが、司を窘める。
 「しょうがねぇな。牧野がこう言うから、お前ら、いてもいいぞ。でも、視界に入るところにはいるなよ?邪魔だからな」
 「「……」」
 俺たち、コイツのダチやめようかな。
 そう二人が思ったとか、思わなかったとか。




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みたらし団子様^^

いつも応援ありがとうございます^^

推測してくださるのも嬉し、ただ楽しんでくださるのも嬉し、です^^

時々、一度に子育てが終わって楽!と思えることもありますが、逆に、あっという間に味わう?暇もなく
終わってしまい、もう二度とないんだなあと思うともったいない貴重な時である気もします。
その時々で違うんですけどね。
みたらし団子さんも、とても大変なことや、時もたくさんあるとは思いますが、互いに、無理しすぎない程度に
楽しみつつ頑張れるといいですね^^!

みたらし団子さんや、皆さんのうれしいコメントや、ポチリが、とても励みになっています。
これらかも、どうぞよろしくです♪

翔様^^

ただひたすらいちゃつくお話!となりつつありますが、それなりには事件もありますので、
ビシッ!とつくしちゃんには頑張ってもらいたいと思いますw

わざわざ調べてくださりありがとうござます^^w
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