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「アネモネ…全171話完+α」
第三章 Innocent②

アネモネ141

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 「しかし、お前、よく奴らの言葉、わかったな」
 「もちろん、わからないわよ」
 期待以上の情報を得てきたつくしに、むしろ呆れたような顔で司が問いかけてくる。
 「はあ?わかんねぇって」
 「ハーフの人なのかな?日本人ぽい外見の人がいたんだけど、その人が日本語で話してくれたの」
 「へえ?」
 ありえない話ではない。
 E国はかなり多国籍の人間が参加して出来上がった新興国家だった。
 日本人自体がいても不思議ではない。
 だが、いまはそんなことよりも…。
 バラバラバラバラバラバラ。
 再び、ヘリコプターの旋回音が聞こえ、窓の外に通り過ぎてゆくのが目に入る。
 「…探してんな」
 「さすがに確定できないのかな」
 「捜査範囲にもよるよな」
 つくしの体内の発信機は壊れてしまったのだろうか。
 あるいは、そちらに関してもジャマー的(※妨害装置)なものを持ち込んでいるのかもしれない。
 なにせ、犯罪者の集団ではなく、軍事組織の一員なのだ。
 なんでもありなのかもしれない。

 「それより、あんた大丈夫?」
 昨夜ほどにはきつくはなさそうだったが、それでもほとんどロクな治療もされず放置されているのだ。
 「…まあ、骨折はしてねぇんじゃね?たぶん、治りかかってた部分にまたヒビが入ったのと、けっこうやられたからな」
 「そうだよね」
 かなりボコボコにやられたのだ。
 つくしも与えられた範囲でできるだけのことはしたつもりだったが、せいぜい放り投げるようにして与えられたアイスノンと保冷スプレーで患部を冷やし、消毒したり化膿止めを塗ったくらいのもの。
 解熱剤もあったがあまり効き目はなかった。
 …感染症に罹ってるのかも。体力あるから、平気そうにしてるけど、実はかなりキツイんだよね、きっと。
 一刻も早くちゃんとした医者にかかり、治療を受ける必要がある。
 それでも、一応は食事も与えられているので、今すぐ殺されるということもないだろうと楽観的に考えることにする。
 「…なんだよ、塞ぎ込むな。空元気でも出しておけ」
 「そんなこと言われても」
 「ま、腹減ってちゃ、そうもいかねぇか」
 …腹って。

 正直、いくらつくしでも食欲などない。
 朝に与えられた食事は、カップ麺にお湯を注いだだけのものだったが、それでも体力温存を考えて無理矢理に腹に入れた。
 司の方はさすがに無理だったようで、せめてもの塩分補給に、スープだけは飲ませた。
 もちろんカップ麺などというジャンクな食べ物に無縁な司は、顔を顰めていたが、つくしの意図はわかっていたのだろう、それでも文句を言いつつ口にしていた。

 だが、そういうことがまた体力の消耗に繋がっているのも確かなことで。
 「…あいつら、やっぱりお前に相当興味を持ってるな」
 あいつら…倉庫の監視役の若い男たちのことだ。
 交代制での監視のようだったが、どの男たちもいちようにつくしに対して興味が顕だった。
 制止役がいないせいか、一人の男などはつくしの体に触ろうとしたが、司の眼光に恐れをなして去っていった。
 やはり怪我をして弱っていても、それなりに司の威迫は抑止力になるらしい。
 一つには司の怪我の具合や調子がどの程度悪いものなのか、彼らにもハッキリとわからないこともあるのだろう。
 「……っ」
 「なに?」
 顔を歪めた司が、壁に手をつき立ち上がる。
 「無理したら…」
 「無理しないわけにもいかねぇだろ」
 フラリとよろめいたが、それでもなんとか壁から手を離し、気合一つ。
 「……なんとか、行けそうか」
 汗に濡れて緩くウェーブを描いた前髪をかき上げ、つくしへと鋭い視線を向ける。
 「フケんぞ」





 時間は不規則だったが、食事の差し入れはするもりらしい。
 あるいは、夕食は抜かれるかとも思っていたのだが。
 朝・夕の時と同様、アラビア語での会話らしきざわめきと、足音が聞こえ、司とつくしは顔を見合わせる。
 あえて体を横たえた司の額の上につくしが濡れタオルを置くと、司が目を瞑る。
 ぐったりとした姿は、熱に消耗し、意識がないようにも見えた。
 ガチャガチャと施錠が開けられる男がして、つくしの胸が緊張に大きく動悸打つ。
 忙しなく荒い息を、堪えて立ち上がろうとしたつくしの握り締めた手の甲を、司がギュッと握って引き止めた。
 振り返るつくしの手を二度、ポンポンと優しく叩いて離す。
 握られた手の温もりを抱きしめ、つくしはソッと詰めていた息を吐き出した。
 …大丈夫、上手くやれる。
 “こっちに来い”
 二度の時と同じく、アラビア語の命令が響く。
 その命じる言葉に、つくしはゆっくりとドアへと近づいた。
 男たちは、床へと受け渡すものをただ置いて行こうとはせずに、必ずつくしを呼び出し姿を見ようとする。
 彼らはつくしを見たいのだ。
 そして必ず卑猥な視線を這わし、口笛を噴いたり、卑猥な口調ではやし立てる。
 何を言っているのかわからなくても、それはどこへ行っても似たような情景で。
 …近づきすぎず、離れすぎてもダメ。
 倉庫の外へと引きずり出されないように用心しながら、それでも…男たちを誘い込むように。
 「い、いま、行くわ」






 ドキンドキンと、早鐘を打つ心臓の音が耳にうるさい。
 ざわざわと耳元で波のような耳鳴りがした。
 もしかしたら、緊張と恐怖で貧血がきているのかもしれない。
 だが、こんなところで自失している暇などあるわけもないのだ。
 これまでは、あえてなるべく男たちを刺激しないように気をつけて、物品の受け渡しを受けていた。
 司の目の届かないところに引きずり込まれないように。
 だが、あえてカップ麺の器を持つ男の指先にわざと触れる。
 ハッと男の顔がつくしを見下ろす。
 それが直接行動になる前に、つくしはわずかに身を引いて、あえて横たわる司の姿が見えるように位置をズレる。
 つくしが急に手を離したことで、カップ麺が床に落ちてスープや麺を周囲に撒き散らしいた。 
 グシャ、ビチャッ。
 「きゃっ」
 とっさに避けたもの足に熱い湯がかかって、小さく悲鳴を上げる。
 熱さを感じ、ふくらはぎに手をあて屈み込んだのは計算ではなかった。
 “…どうしたッ?”
 ドアの外からもう一人の見張り役が、入室する。
 屈み込んだつくしの緩い貫頭衣から覗いた白い胸に、反応したのは最初に入室した男だったのか、それとも後から入ってきた男だったのか。
 「…え?やっ!!」
 気がついたら、口を抑えられ抱きすくめられていた。
 「むぐ、ぐぐ……んん!!!ん~~~ッ!?」
 “…おい、まずいぞ”
 “平気だって、男の方は、すっかりヘタばっちまっている”
 “…死んでるんじゃないだろうな?”
 “いや、さっきちょっと動いた。昼もかなりキツそうだったじゃねぇか?”
 口を抑えられた方とは逆の手で胸を揉みしだかれて、つくしはゾッと手足をバタつかせた。
 「んんんッ!!!!!?んん、んんん!!」
 “…レイプは禁じられてるぞ”
 “平気さ。この女が俺たちの劣情を誘ったんだから、この女が悪いんだ、罰せられる筋合いなんかないじゃないか”
 アラビア語での会話がわからない。
 だが、今はそんなことよりも這い回る手の感触が恐ろしい。
 虫唾が走るような嫌悪と、吐き気と。
 迷っているふうだった男の目までもが、つくしを卑猥な眼差しで見下ろしてくる。
 震える足先が力を失い、腰が抜けた。
 …怖い。怖い。
 それだけが脳裏を駆け巡って。
 『抵抗するな』
 司の声が耳元に蘇る。
 …そんなの無理。
 いや、抵抗したくても大きな男二人に床に抑え付けられて抵抗なんてできるはずもない。
 “そうだ、大人しくしろよ。静かにしてれば、すぐに気持ちよくなる”
 ぶるぶる震える両足首が掴まれて無理矢理に割り開かれ、足を閉じられないように太股の間に男の体が入り込む。
 めくり上がった白い大腿。
 下着さえつけていない下半身が剥き出しになって、足元に座った男が荒い息を吐きながら、興奮した怒張を取り出すべく、自身のローブを捲り上げズボンの合わせに手をいれるのがつくしの目に映った。 
 「…ひっ!!」
 いつの間にか、抑えられていた口から手が外されていて、両手を抑えている男の手が胸元から入ってきて乱暴に揉みしだかれ、剥き出しの股間の奥に凶暴な凶器が押し当てられた。




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つくし 助けて~~

危うい つくしの貞操を 助けて~~

司が それとも 救助隊か、、、

次はどうなるの?

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つくし!!助かりますように!
こ茶子さま、いつもお忙しいなかの更新、今回の丁寧な対応、ありがとうございます。何かを発信すればポジティブにしろネガティブにしろ反応が返ってくるのは仕方ないかもしれませんが。ギャラをもらっている訳でもないのに、毎回丁寧な対応されていて頭が下がります。このサイト訪問が、私の日課になってますが、読まないお話もありますが楽しみであることに間違いはなく、人に楽しみを与えられるって凄い事と思います。いつもありがとうございます。応援してます。長文失礼しました。

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つくし・・・もう、ほぼ強姦されてしまったようなものですね。。
これから、酷いトラウマに苦しむんだろうな。。司が消毒って言っても、そう簡単なものじゃないですよね。つくしがどうやって立ち直っていくのかを、こ茶子さんがどのように表現していくのか、期待しています。
このお話では、鬼畜?だったり変態?だったりと、あまり良い所のない司だけど、つくしの心をどのように支えていくのか、楽しみです。

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