君を愛するために~花より男子二次小説

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愛してる、そばにいて0747

第8章 明日に咲く花⑥

 「……司か」
 「えっ!?」
 ギョッと驚いて、つくしが桜子の顔を見直した。
 「……それもご存知だったというわけですのね。まさかその当時から、私のことを憶えていらっしゃったとはとても思えないのですけれど?」
 あきらも桜子の言葉を肯定する。
 「まあ、さすがにな」
 話が見えないつくしへと、それでも覚悟を決めたような顔の桜子が改めて向き直り、握られたままの手を反対側の手でそっと握り返し、だが、すぐにソッと自分の手から外してしまう。
 「桜子?……司が、って?」
 「………子供の頃の話です。本当に私も、道明寺さんもホンの幼い頃、当の道明寺さんですら私のことを憶えていらっしゃらないくらいの、遠い昔の話」
 しかしおそらく、そう言う桜子の中では、そんなに遠い過去の話ではなかったのだろう。
 つくしが何年も十何年も、……ずっと司との昏い過去を忘れられずに苦しみ続けてきたように。
 桜子が言うとおりどれだけの年月が経とうとも、どんな幸せを得たとしても、どうしても忘れられないことがある。
 人の心はそれだけ弱くも、また脆くもあるものなのだ。
 「トーマスだったか?お前の幼馴染みの男が表参道でコーヒーショップを営んでるだろ?」
 「……トーマスが?」
 「ああ」
 「どうして?」
 「これを話すのは正直、俺としてもまったく気が進まないんだが、……一時期、お前のことで、ウチによけいな告げ口めいたことをしてくる連中がいてな」
 おそらく嫉妬による誹謗中傷や、悪意ある讒言などがあったのに違いない。
 つくしにもよくよく身に覚えのある話だ。
 「なるほど。もしかして、トーマスのことで中傷を?」
 「ああ。……俺自身、お前と出会う以前はけっして褒められた素行をしていたわけじゃないからな。そんな自分を棚に上げて、お前のことを上げ連ねてどうのと言うつもりはなかったんだが、実際のところ、あの頃の俺は、お前が俺とのことをどう考えているのか、まだ測りかねていたところがあった」
 「結婚は結婚。お互いにそこは割り切って、外聞を憚れば互いによろしく自由にやるつもりだったのか、……ということですか?」
 「少なくても、俺は違う」
 以前、あきらはつくしにも語っていた。
 遊ぶのは独身時代まで。
 結婚して後は、たとえ政略結婚で娶された相手であっても大切にするつもりだ、桜子をただ義務的にではなく、家庭を共に作り育んでゆく生涯のパートナーとして、自分自身でも選んだ女性なのだと。
 そして、たぶん桜子もまた。
 「今だったらお前に直接確かめた。……だが、あの頃の俺はお前に直接当たることをせずに、他人を使って調べ、他の人間の言葉を聞くことを選んだ。軽蔑するか?」
 あきらの問いに、桜子が微苦笑してゆるく首を横に振る。
 「恋愛ではないのですもの。……それが政略結婚というものだということは私も承知しています」
 その言葉のとおり桜子にも納得できることだったのか、あきらの言葉に傷ついたようではなかった。
 …私だったら、イヤだけど。
 だが、つくしにはつくしの常識があるように、彼らには彼らの常識がある。
 育った環境も立場も何もかもが違った司や類と、つくしとでは高かった壁も、あきらと桜子の間ではそれほど問題が無い程度の高さでしかないのだろう。
 「トーマスはただの幼馴染みです。互いに特別な感情など欠片ともありませんが、それでも兄妹のような情があって、そういう意味では彼に何くれとなく援助をしていた時期もあります」
 「…らしいな」
 そこらへんはあきらも信じているのだろう。
 「それだけにいろいろ彼には私のことも知られていて、……まあ心配してくれてはいるんでしょうけれど、まさかあきらさんに、よけいなことまで話していたとは思いませんでしたよ」
 「よけいなこと?」
 あきらにではなく、つくしへと、桜子が真っ直ぐに顔を向ける。
 「道明寺さんが好きでした」
 「…っ!」
 突然の告白に絶句する。
 「子供の頃の話ですよ?」
 「え?」
 「先ほど、言ったでしょ?子供の頃に初めて好きになった男の子に、ドブスと言われたことをいまだに忘れられないって」
 「………あ」
 それを司かと、あきらが尋ねたのだ。
 「私だって、わかっています。そんな子供の頃のことをいつまでも連綿と恨みに思うなんて、どれほどバカバカしくて、不毛なことなのかなんてとっくにね。それこそ、この顔を変えた時にすらわかっていた」
 「……………」
 「一時期は、大真面目に変えたこの顔やカラダを使って、道明寺さんや……F4に復讐をする、そんなことを思っていたこともあった。そう言ったら、本当にバカな女だったんだと笑いますか?」
 今度はあきらへとなされた桜子の質問に、一瞬あきらが目を伏せ、「いや」と小さく首を横に振った。
 「桜子が手術を受けたのって……」
 「ええ。ご推察のとおり、道明寺さんに子供の頃、ひどいことを言われて拒絶されたことが引き金になってのコンプレックスが原因です」
 「っ!」
 「まあ、それも単なるこじつけに過ぎないということは、いまでは私も認められますが、それでも子供の頃の傷が、他人にとってはどうあれ、私にとっては忘れがたかったことは確かです」
 「わかるよ」
 それはおもねりではなかった。
 たとえ他人にとってはどんなに些細なものに思えても、本人にしかわからない苦しみがあるように、どのようなことがその当人にとって、どれだけの傷となって残るかなど、当事者以外には本当の意味ではわかりはしないのだ。
 「高校時代、道明寺さんに赤札を貼られて学校中に苛められていたくせに、いつの間にか道明寺さんに気に入られて、連れ歩かれるようになった先輩に対して、当時ですら一言では言えない複雑な思いがありました」
 いつだったか、ーーー本当にいつだっただろう。
 司を恨んでいるからつくしを手助けするのだと協力を申し出た桜子から、司への怨嗟ではない、なにか別の感情を感じ取ったことがあった。
 あるいは、……と思ったことがないとは言えない。
 それが子供の頃のことだとは思いもしなかったけれど。
 しかし、本当に桜子のその感情は、彼女の子供の頃だけのものだったのか。
 「それでも、……道明寺さんが日本を去られて、先輩と結婚されて。もう本当に私の手には届かない存在になって、あきらめられたはずだったんです。望外に、美作家からあきらさんとの婚約話までもが持ち上がって、本当にもう、こんな不毛な想いは解放してしまおう。あきらさんがたとえ、この顔とカラダ、あるいは我が家の某かに美作家としてメリットを感じてくれただけだったのだとしても、この幸運を大事にして幸せになろう、本当にそう思っていたのに……」
 「桜子」
 「それなのに、私を地獄の底へと叩き落として長くずっと暗闇に閉じ込めていたくせに、何もかもーーーあの方が長く餓えていたはずの‘愛’ですら手に入れて、自分だけが幸せそうな顔をしている道明寺さんが赦せなかった。こんなにも、……こんなにもっ、ずっと忘れられずに想い続けていた私ではなく、他の女を愛して愛されて、何一つ欠落することなく輝き続けている道明寺さんを見るにつけ、そんなあの人を惹きつけ捕らえ続けている先輩、あなたが妬ましかったんですっ」




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愛してる、そばにいて0746

第8章 明日に咲く花⑥

 「香奈枝からお聞きになったのですよね?」
 つくしには聞き覚えのない名前だったが、それだけであきらには通じたようだ。
 「そうだとも言えるし、そうでもないとも言えるか」
 あきらの言葉に対しては怪訝さをあらわにしていても、特に桜子の告白には驚いてはいないつくしの様子に、あきらが合点して小さく微笑み頷きかけてくる。
 「やっぱり牧野も知ってたか」
 「……まあ」
 「先輩にバラしたのも、やはり香奈枝ですよ」
 「は?」
 意外な言葉に、今度こそ桜子をポカンと眺めてしまう。
 「まあ、彼女は間違っても口が堅いというタイプの女性じゃないからな」
 …なんて言うか。
 なるべく二人の会話を邪魔すまいと存在を消す努力をしているつくしの気遣いとは裏腹に、むしろあきらや桜子が彼女の存在を緩衝材にしていることに、いまさらながらつくしも気がついた。
 「あのさ、…香奈枝さんって?」
 「IMCエンタープライズの代表夫人の柴崎香奈枝です。かなり以前、……そうですね、それこそ7年近く前のことですが、香奈枝は先輩にも会っています。私の顔や体が整形で得たものであることを話のタネにして、先輩に、というか、道明寺家の奥様に、自分の名前と顔を売り込もうとした女のことを覚えていますか?」
 「ああ、うん、なるほど。名前や顔まではさすがに憶えてないけどね」
 当時、彼女を通じて司に売り込もうとする輩はひきもきらなかったから、特に珍しい話ではなかったけれど、その出来事ならば、つくしの記憶にもハッキリ残っている。
 あの頃のつくしはまだ過去のことを思い出してはおらず、ただ司を愛し、彼を支えて戒を立派に育てたい、道明寺家の若夫人として頑張らなければと気負うだけの自分でしかなかった。
 「その人が美作さんに?」
 「……まあ、聞かなかったとは言わないが、桜子もそんなに強固に隠していたというわけじゃないだろ?」
 「宣伝はしていませんし、あえて自分から口にしたことはありませんが、……どちらにせよ、香奈枝がそうであるように、人の口に戸は立てられませんから」
 「……………」
 おそらく、いや間違いなく、そうした他人の悪意や嘲笑は、これまで何度となく桜子を傷つけ、哀しませてきたのだろうと、つくしにも容易に察せられた。
 しかし、苦笑する桜子の横顔には、そうした出来事を乗り越え自分なりに消化してきた者の強さがある。
 あからさまな悪意だけでなく、無遠慮な大多数の悪意なき人々の好奇の視線や言葉に、傷つけられてきた苦悩や哀しみ、悔しさを飲み込んで、それでもなお前を向き力強く足を踏み出し続けてきた女の横顔。
 「ですので、いつかはあきらさんにもバレてしまうことの覚悟がなかったわけではありません。でも、香奈枝からではなかったということは?」
 「高校時代の一時期、下級生の間でお前のことが噂になったことがあっただろ?」
 「……ああ」
 たしか桜子もつくしと同時期、英徳学園の高等部の一学年下に在学していたはずだ。
 だが、つくしには覚えがなかったから、それほど大きな噂ではなかったのかもしれなかったし、あるいはすでに赤札を貼られ、司に示唆された生徒たちからのイジメを受けていたか、司によって囚われていた以後のことだったのかもしれない。
 「まさか、あきらさんが私のことを、当時すでにご存知だったとは思いませんでした」
 「2学年違ったからな。けど、1年にすげぇ美少女がいるってことは、総二郎から聞いたことあったし」
 「なるほど」
 「ああ」
 総二郎経由での話だということに、思わずつくしも納得してしまう。
 あきらもスケコマシな印象ではあったが、当時の噂からしてどうもあきらの場合は総二郎とは違って、同年代の女性よりも元々はかなり年上の女性を好むタイプの男だったらしいからだ。
 とはいえ、そのわりには、
 …司のクルーザーで、なんかとんでもないことになっているところを見てしまった憶えがあるかも。……て、いうか、え?もしかして、美作さんと香奈枝さん?って人って。
 妙なことがつくしの脳裏によぎったが、さすがに考え過ぎだと、よけいな詮索はやめることにする。
 「まさか、その当時からご存知だったんですか?お金で手に入れた美貌を自慢げに振りかざして、いい気になってる女だと?」
 「自虐的な物言いは辞めろよ。お前らしくないだろ?」
 「私らしいって、なんですか?あきらさんは私の何を見て、私らしいとおっしゃるんです?」
 「桜子」
 「……桜子」
 「あきらさん、先ほどの私の質問にまだ答えてくださっていませんよ?」
 桜子の問いかけにわずかに逡巡し、だが問われたことにはあきらも答えるつもりだったのだろう。
 彼は自分から口に出したことを、気まずいからといって誤魔化してしまうような男ではなかった。
 「いい気になってる、……かはともかくとして、お前のそうした強気な態度や、男たちがお前に群がるのが気に入らないヤツもいたんだろ。幼稚舎の時の卒園アルバムだかなんだかを持ち出して、お前をやり玉にあげてたヤツがいたことも、なんとなくだけど聞き覚えがあったんだ」
 「……ふふ」
 こんな場面だというのに、なぜか笑う桜子の顔は、しかし、さすがに心のうちすべてを覆い隠すことができてはいなかった。
 「そんな以前から知られていたとはね」
 膝の上で握り締められた桜子の手が青白い。
 一瞬迷って、けれど、その手につくしは自分の手をそっと乗せた。
 頼りなげな眼差しがつくしへと向いて、ウルリと潤んだ瞳に、ぐっと力を込めあらためて桜子の手を握り直す。
 …私がいるよ。
 彼女の為に何ができるか、それはつくしにもわからない。
 けれど、せめて彼女の心の支えの一つにでもなれれば、と。
 そしておそらくは、今彼女たちの目の前にいて、桜子を追い詰めているあきらもまた、きっと同じことを思っているのに違いなかった。
 それを果たして、桜子はちゃんとわかっているだろうか。
 目の前の男性が、彼女を愛しているとその眼差しにこめて熱く見つめていることを、つくしでさえも疑うことができないというのに。
 …桜子、ちゃんと美作さんの目を見て。
 そして心で感じて欲しい。
 時に逃げてしまうことに安楽を求めて、後の苦悩を深めてしまうこともあるのだと、今のつくしにはわかっていたから。
 せめて友や―――親しい人たちには、間違って欲しくなかった。
 …精一杯やって、それでもダメだったなら仕方がない。
 けれど、と。
 「だから、お前が整形のことを理由に、俺と別れようとしているのならお門違いな話だ。最初からそのことを、俺は知っていた。知ってたが、お前がいつか話せると思った時に話してくれればいいことだと思っていたし、たとえ話してくれないにせよ、それはそれでかまわないと思ってたんだ。誰にだって、たとえ恋人や夫婦の間だったとしても、言えないこと言いたくないことの1つや2つはあるさ。……まあ、少し寂しい気はするけどな」
 あきらのボヤきは本心ではあっただろう。
 彼の言うとおり、誰の心にも秘密や、闇はある。
 言えない、言いたくない、あるいはあえて隠す意図があるにしてもないにしても。
 その別はあったにせよ、おそらくつくし自身にしても、そして、類もまた。
 いくら好き合っていても、愛し合っていても、自分の心や人生全部を他人に語り尽くすことなどできはしないのだ。
 「子供の顔が私に似てしまうかもしれませんよ?」
 「それも嬉しいことじゃないか。惚れてる女によく似た子供が生まれて喜ばない男なんてどこにいる?」
 ―――惚れてる女。
 わずかに桜子を包んでいた緊張がほぐれた気配がした。
 けれど、
 「私はイヤです。………ブスだとからかわれて、初めて好きになった男の子に、ドブスは近づくな、そんな顔で自分を好きなるなんてと罵られる苦痛を自分の子供には味わって欲しくない。………子供の頃のことを、いつまでも忘れられずに恨みに思うなんて、我ながら執念深い話ですが、それでもどれだけの年月が経っても、忘れられないことってあるものなんですよ」




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愛してる、そばにいて0745

第8章 明日に咲く花⑥

 「……………」
 沈黙が落ちる。
 一瞬、周囲の空気が失せて、真空になってしまったかのような錯覚に、つくしがピキーンと固まってしまう。
 申し込れた本人ではない彼女ですらそれだけの衝撃を受けているというのに、当の本人である桜子の立ち直りは意外にも早った。
 「な…んん、んっ。な……にを、急にそんなことを……言い出すんです」
 しかし、それでもその途切れ途切れになってしまっている掠れた声音での言葉や、何度となくせずにはいられないらしい咳払いが、彼女の動揺を隠しきれていなかった。
 「別に何も急な話じゃないさ。俺の気持ちは、お前との結婚を決めた見合いの時から微塵も変わっていない。……いや、違うか」
 ‘違う’のセリフに桜子の体がわずかにビクリと強張る。
 それさえも、隣に座っているからこそ、つくしにもわかった程度のものだ。
 あくまでも強気に真っ直ぐに頭をあげ、あきらを見据える桜子の心情は、かすかに青ざめた顔色以外ほとんど余人に覗かせてはいなかった。
 けれどそれでも、桜子がその態度ほどには平然としているわけではないのは、つくしだけではなく、おそらくあきらもわかっていたことだろう。
 「あの頃よりももっとずっと強い気持ちで、俺はお前と結婚したい。義務としての結婚ではなく、一人の女としてのお前に惚れたから、お前と結婚したいし、一緒に家庭を築いて生きていてきたいと思ってる」
 「………あきらさん」
 睨みつけるようだった桜子の意気地が砕けて、苦しげな顔であきらから視線を反らし、震える唇を噛んでゴクリと唾を飲み込む音が、不思議に大きくつくしにも聞こえた気がした。
 「お前はどうなんだよ?俺たちの間には、まず最初に‘家’のことがあって、そもそもの出会いからして結婚が前提だったから、わざわざお前の気持ちを確認することはしてこなかった。否やを申し出られなのだから、当然、いずれは結婚することに関してお前も納得している。……そう思うことが俺の怠惰だったと言われれば、それを否定することはできない。だが、お前はここに来て、俺との結婚をご破算にしたいと声をあげた。どうしてだ?お前も承知だったはずの政略結婚を、ここに来て破棄しようとするその理由はなんだ?俺たちの世界では付帯することが必然のペナルティを負ってまで、お前がこの婚約を解消しようとする理由はいったいなんなのか言ってくれ」
 ―――ペナルティ。
 それはおそらく、婚約解消……破棄に近いカタチでの解消に伴う莫大な慰謝料を含めた話なのだろうことは、つくしにもわかった。
 あきら個人はともかくとして、元々が家同士での契約であり、1年2年のことではなく、何年にも渡っての婚約関係だ。
 片方が心変わりした、それならば仕方がない、で済ませられないのは、たとえあきらたちのような権門同士の政略結婚ではなかったにしても、個人の婚約関係であっても、簡単にことは収まらないのは当然のことだった。
 「……祖母が亡くなりました」
 「えっ!」
 むしろ驚いたのは、つくしの方だった。
 そんなつくしを横目でチラリと見て、泣き笑いのような奇妙な笑みを浮かべた桜子が、小さく頭を下げ謝罪する。
 「すみません、黙っていて。どちらにせよ、年末の時期にはご報告しようと思っていたのですが、いろいろ一族内でもゴタゴタがあって…」
 親友のただ一人の身内が亡くなったのだ。
 葬式や通夜への参加はともかくとして、意気消沈したに違いない友人に対して、慰めの言葉の一つくらいはかけたかったという思いはもちろんあるが、人には人それぞれの事情があり、時にはその気遣いがかえって煩わしくも迷惑になる場合がある。
 おそらく桜子自身も言っているとおり、ずっと黙っているつもりではなく、一段落がついて後には報告しようとは思っていたのだろう。
 だからつくしも、今は一つ小さく頷き、理解を示すだけに留める。
 …カタチだけがすべてじゃない。
 桜子の祖母への哀悼を告げることは、今この場ではなくてもいつでもできるのだし、その時の桜子の悲しみに共感して、彼女が望んでくれた時に力になりたいと伝えることもできる。
 「あきらさんがおっしゃっているとおり、元々この結婚話は家と家との繋がり。もっと言ってしまえば、半ば没落していた我が家の再興の為にお受けしたお話でした」
 「……ああ」
 あきらの声音は平静だった。
 互いが納得しての事情だとはわかっていたが、むしろ第三者のつくしの方が居た堪れない気持ちを抱かされてしまう。
 「それでもなお聞くぞ?この7年で少しでも俺に、美作ではなく、この俺自身にお前は心を動かされることはなかったのか?家のことがまず前提にあるのは、俺たちの間柄では仕方が無かったことかもしれない。だが、それがあるにしても、三条家にとっても、今、美作家との縁組を解消することに、まったくなんのメリットもないはずだろ?」
 それどころかデメリットでしかないだろう。
 だからこそ、桜子は長年婚約解消を胸の内のどこかで考えながら、そうすることもせず、のらりくらりと結婚を引き伸ばし、引き伸ばしてなお、祖母の死をキッカケにしなければ動くことができなかったに違いなかった。
 「俺を男して愛せなかったのか?一度は受け入れたはずの政略結婚を、あえてペナルティを負ってまで解消せずにはいられないほどに、俺と結婚するのがイヤだった。そういうことなのか?」
 「……っ」
 緊迫した空気と内容に、つくしは口を出すこともできずに、固唾を飲んで二人を見守ることしかできない。
 「だったら」
 「……………」
 「……………」
 「そうだったなら、どれだけ楽だったでしょう。……心を隠して、笑って結婚するくらいの覚悟はありましたっ」
 軋るような桜子の声音には、真実の痛みが宿っていて、自身のことではないというのに、つくしの心にまで物理的な痛みさえ感じさせずにはいられないほどの苦痛を帯びていた。
 ―――心を隠して、笑って結婚する。
 それが幸せなこととは、つくしにはとても思えなかったが、それでもそうすることの方が楽だと言い切れる桜子には、それ以上に苦痛なことがあったのだ。 
 桜子の震える手が自身の頬に添えられ、皮肉な笑みのカタチに唇が歪められる。
 隙なく化粧を施され、人であることが信じられないほどの美貌。
 「この顔や、カラダが紛い物……整形で得たものであることを、あきらさんもお知りになったのでしょ?」




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愛してる、そばにいて0744

第8章 明日に咲く花⑥

 つくしとあきら、桜子の3人は、あきらのリムジンへと場所を移した。
 かつては同じ車種での移動を日常にしていたこともあったつくしだが、類がもっとコンパクトな車を好むこともあって今ではそれも遠い昔だ。
 …こんなやたらとデカイ車、目立つし、小回りきかなくて、かえって不便だっつーの。
 どうにも気まずい空気に、やや八つ当たり気味に内心で悪態をつく。
 「牧野はなに飲む?シャンパン?スプマンテ?」
 「いやいや、真昼間…ってほどじゃないけど、まだお酒を飲むには早い時間帯でしょ?」
 「そうか?ディジェスティフ(※食後酒)だと思えばいいんじゃないか?いくつかスピリッツやリキュール類も揃えてあるから、簡単なやつならカクテルも作れるぞ?」
 「え~」
 酒は嫌いではないが、酒が弱い自分と、この後の予定を考えるとかなり悩んでしまう。
 …でも、このなんとも微妙な雰囲気の中、シラフでいるのもそれはそれでけっこう辛いものがあるよね。
 「ん?ちょっと待って。作るって、もしかして美作さんがカクテルを作ってくれたりするの?」
 「ああ」
 「カクテル缶が置いてあるんじゃなくって?」
 まさかと、思わず念を押して確認してしまう。
 「………あきらさんなら、昔取った杵柄で、プロのバーテンダー顔負けの腕前ですよ」
 車に乗り込んで以来、つくしの隣でそっぽを向いたまま、見てはいないだろう窓の向こう側を眺めて、ウンともスンとも言わなかった桜子が、あきらとつくしの会話に割って入った。
 「へぇ、凄い」
 「シェーク以外は、好きなら誰でも簡単に作れるさ」
 たしかにつくしにしてみても、司との晩酌で、たまに何かしらの酒を混ぜて飲むこともあった。
 わずかな暇を見て、果樹酒を作ることもあったから、ある意味それもカクテルと言えなくもない。
 それにしても、
 「昔取った杵柄?」
 天下の美作商事の御曹司が、バーテンダーの経験でもあるのかと、怪訝にあきらを見やる。
 「……ま、いろいろとな」
 特に探りを入れたわけでもないのに、あきらが困ったように言葉を濁して苦笑いしている。
 「先輩もご存知なんじゃありません?あきらさんが学生時代浮名を流していらして、たくさんの女性と交際していらしたことを」
 「え?う、う〜ん?」
 婚約者ーーー元かもしれないが、いくらその本人に問いかけられたにしても、その場では同意しかね困って曖昧に頷く。
 「その頃の副産物、……あきらさんはフェミニストですし、女性にはこと細やかな気遣いをされる人ですからね。それも一夜の夢を共有する女性へのサービスですよ」
 「あ……ああ。なるほど」
 サービスであり、パフォーマンス。
 あるいは、酔わせて悪さをすることもあったのかもしれない。
 ようはナンパの手管の一つということだろう。
 皮肉に笑む桜子の物言いは、激しくはなかったが、やはりどこか刺を含んで攻撃的だった。
 「まあ、否定はできないが、言うほど不特定多数と付き合ってたわけじゃないんだけどな」
 ボヤいてはいるが、それでも言葉通り否定できない自覚があるのか、あきらの浮かべた笑みにはかなり自嘲が含まれていた。
 「久しぶりに、私もあきらさんのカクテルが飲みたくなりました。作ってくださいますか?」
 「ああ。ここでシェークは無理だけど、それでよければ」
 先ほどまでの素っ気無さが嘘のように、けれどどこか冷たい隔意を含んだ美しい笑みで、桜子があきらへと向き直って甘く依頼する。
 「何がいい?」
 「ビールあります?」
 「ビール?」
 カクテルを……とわざわざ頼んでおいて、と、なおさら不審げなつくしをよそに、あきらの方は桜子の注文が一早くわかったようだ。
 「……シャンディガフ※1か?」
 「ええ、お願いします」
 「ふっ、キッついな、お前はさすがに。………牧野は?」
 「ああ、じゃあ、えっとぉ、あんまり強くないので飲みやすいのがあれば、それで」
 「ふぅん?じゃ、カンパリオレンジ、スクリュー・ドライバー、キティ、そのあたりか」
 「キティ?」
 カンパリオレンジや、スクリュー・ドライバーは職場などの飲み会でも定番の女子カクテルだが、‘キティ’という聞き覚えのない可愛らしい名前のお酒に興味が沸いて尋ねる。
 「赤ワインをベースにしたロングカクテルだな。ジンジャーエールと等量で割るのが基本の甘めのカクテル」
 「へぇ、美味しそう。それにしようかな」
 「赤ワインを白ワインに変えると甘さ控えめのカクテル、‘オペレーター’になるけどどうする?」
 「ん~、甘い方が好きだから最初のやつで」
 「了解」
 物珍しくあきらに尋ねたりしてはしているものの、意識の半分では、白けた顔をして二人の会話を横目で眺めている桜子の気配を探っている。
 何食わぬ顔をして特に内心を表にはしていないが、おそらくあきらにしても同様、つくしとくだらない雑談を交わしているのも、その場の雰囲気を和らげようという心遣いに違いなかった。
 桜子とつくしには希望どおりのカクテルを、あきら自身は特にカクテルを自分のために作ることはせずに、オーソドックスにシャンパンを用意して、それぞれに配膳し、チーズやスナックなど簡単なツマミまで出してくれる。
 至れり尽くせりだ。
 …なにげにこの人、マメっていうか、F4で一番気を遣う人よね。そういえば美作さん、結局さっきのレストランではなにも食べていないけど、空きっ腹にお酒とかいいのかな?
 あるいは別所でランチは済ませていたのかもしれない。
 つくしにしても、せっかくのビュッフェだったが、がっつりとランチをとれたとは言えないので、酔っ払わないようにとセーブを心がける。
 「で?お酒で気分を解して、と言うのはもう十分だと思いますけど?そろそろ本題に入りませんか?」
 ついつい出されたツマミやカクテルの美味さに、その本題を忘れて、一人ホクホクとチーズをツマんでいたつくしの背がピリリと伸びた。
 「……せっかちだな」
 「そうでもないと思いますよ。早くしないと、あっという間に目的地です。いつまでも、グルグルと首都高を何往復もドライブするのも、あまり楽しくはない話ですし、さっさと用件を済ませてしまいましょう」
 小さく息を吐き、大して飲んでもいないシャンパンのグラスをテーブルに置いて、あきらが覚悟を決めたように真っ直ぐに桜子に向き直る。
 そして、あらためて口火を切った。
 「じゃあ、単刀直入に言う」
 「ええ」
 「………」
 「桜子、………あらためて俺と結婚してくれないか?」




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愛してる、そばにいて0743

第8章 明日に咲く花⑤

 「先輩」
 睨めつけてくる桜子の視線に困って、つくしが視線を彷徨わせた。
 しかし、つくしの斜め対面側、桜子の隣の席に腰を下ろしたあきらが、即座に取りなしてくれる。
 「牧野を責めるなよ、桜子。俺が無理に頼み込んで、行き先を教えてもらっただけだ。最初はそれさえ渋って、なかなか教えてくれなかったくらいだぞ、な?」
 あきらの視線に応えて、仕方なくつくしも頷く。
 「まあ」
 「……はぁ~、あきらさんがその気なら、私のスケジュールをすべて把握されることくらい容易なのはわかっています。あきらさんが、わざわざ確認したかったのは、私の予定ではなくって先輩の予定の方でしょ?」
 「は?」
 思わぬセリフに驚いて、つくしがあきらへと視線を戻す。
 苦笑しているところからして、どうやら桜子の推測の通りらしい。
 「私の予定って」
 「私に聞く耳を持たせるために、クッションがわりに先輩に同席させたかったんですよ」
 「美作さん?」
 「バレたか。悪いな、牧野。……そもそも桜子には、俺からのアクションすべてを拒否って避けられてたからな。話し合うもなにも、婚約を解消してくれ、相応の慰謝料は払う、の一点張りだ。それじゃさすがの俺にも、どうしようもない」
 「…………そんな打ち明け話を、本当にこんなところでなさるおつもりですか?」
 桜子のセリフで、つくしも気がついた。
 たしかにあきらに近々桜子に会う予定があったら、自分も同席させてくれ、それがダメならせめて、会う予定を聞かせてくれと依頼されていた。
 つくし的にも、あきらと桜子は婚約解消云々を決する前に、ちゃんと話し合うべきだとは思っていたが、かと言って、本人が思い決めてしまっているものを、いくら友人だからと言って、無理強いにお節介をするようなマネはしたくなかったのだ。
 だから迷いつつも、食い下がるあきらに、今日のスケジュールだけは教えた。
 遅刻してきた桜子が、今日の予定を変えようとしたのには焦らされたものの、いっこうに現れないあきらに、彼の方でも都合が付かなかったのかとある意味安堵していたのだが。
 それにしてもたしかに桜子の言う通り、世間でも著名な人間が、醜聞にもなりかねない内輪の話を、誰に聞かれてもおかしくはないこんな場所で、堂々として良いはずがない。
 「ね、お店出た方がいいんじゃない?」
 「まだ、食事もしていないのに?」
 あきらが自分の前はもちろんのこと、揶揄るように、桜子とつくしのサラダや前菜的な料理しか並べていない皿に視線を流す。
 「私はもう食事はけっこうです。帰りますよ、……先輩は?」
 「あ…う、う…ん」
 …どうしよ。
 つくしとしては、深刻な話をするのなら場所を移してからにした方がいいという意味での提案のつもりだったのだが、あきらかに桜子の方は、店を移すどころか逃げに入っている。
 あきらの意図もわかっているだけに、つくしもすぐには応じ兼ねて、どうしても曖昧な返事になってしまう。
 「じゃ、いいです。私はお先しますので、あとはあきらさんと先輩で…」
 業を煮やした桜子が彼女らしくもない邪険さで席を立つ。
 が、
 「待てよ」
 テーブルに置いた桜子の手を上から押さえて、あきらが引き止めた。
 桜子同様、常には紳士的なあきららしからぬ強引さに、つくしだけではなく桜子も驚いたようにあきらを振り返る。
 「逃げるなよ。話があると言っただろう」
 「逃げるわけではありません。……が、婚約解消の申し出の理由なら、そもそもの両家の取り持ちをした大叔母を通して、そちらにもお伝えしたはずです」
 「…………俺にはロクに反論もさせずに、言いたいことだけを言い逃げしてか?」
 「っ」
 「桜子」
 口を挟むまいと思っていたのに、あきらの言葉の意外さに、思わず桜子の名前を呟き、ついつくしも彼女の顔を振り仰いでしまう。
 たしかに桜子からは、婚約解消の詳細を聞いてはいなかった。
 たが、あきらや桜子の話からして、二人が直接会って、彼らの間でも話し合いが持たれていたという印象がなかったのだ。
 …一応は会ってたんだ。
 意外ではあったが、それも当然か。
 さすがの桜子も、事務的な申し出だけで済ませるには、あきらとの間にそれなりの年月があったということだろう。
 それなのにーーー。
 肝心な話には言及できなかったところに、常には強気なはずの桜子の弱さが見えた気がした。
 「その顔やカラダ。ーーーそんなものが本当にそれほど重要なことか?」
 「あきらさんっ!」
 「美作さんっ!?」
 悲鳴のような桜子の声音に、慌ててつくしも周囲を見回す。
 しかし、むしろ桜子の激烈な反応にこそが衆人の注目を引き寄せたようで、彼女の叫びにチラホラ振り返る人々の視線が痛い。
 カッと頬を赤く染めて、桜子が苦しげに顔を歪めて再び椅子に腰を下ろした。
 「悪い。だけど、こうでもしないと、お前はまた逃げるだろ?お前が俺のことをどういう男だと思っているにしろ、俺はこのままなし崩しに、お前との間を終わりにはしたくない。……牧野」
 「え?……あ、はい?」
 唐突にあきらに呼びかけられる。
 桜子の背けている横顔ばかりを注視していたため、一瞬つくしは、あきらに自分が呼びかけられていることに気が付けなかった。
 「このあとの予定に変更あるか?」
 「え?予定?」
 …予定の変更とか言われても。
 元々桜子と食事をした後、のんびりドライブがてら、東京近郊の温泉地で、のんびり日帰り入浴でもして来る予定だったのだ。
 もっともあきらに予定を聞かれた時に、彼が現れることも念頭にあったから、その予定も変わる可能性があるかもしれないとは、つくしも思っていた。
 「桜子と温泉行く予定だったんだろ?うちの車で送るから、……悪いけど、もう少し俺たちの話に付き合ってくれ」
 「え…あぁ」
 「私はっ」
 桜子の手を握ったままのあきらが、桜子の反論を抑えてしまう。
 「じゃ、ここで話すか?」
 「………………」
 縋るような桜子の顔に、どうするべきかと迷って、結局つくしは桜子自身に尋ねることにする。
 「桜子、どうして欲しい?私はやっぱり、美作さんともう一度ちゃんと話すべきだと思う。部外者の私が同席していいのか、私には判断つき難いんだけど、あんたが一緒にいて欲しいと思うのなら一緒にいるつもりだし、二人っきりで話したいというのなら、私はここで失礼するよ」
 あきらも地位のある男だ。
 万が一にも、二人っきりにしたとて無体なことをするとは思えない。
 そうでなくても、元々理性的な男だ。
 今は珍しく強引に出ているが、それも筋を通せば、ちゃんと納得してくれるはずなのだ。
 …間違ってもストーカーになったりするタイプじゃないよね。
 むしろあきらが引きずる結果になっているのは、曖昧なまま逃げを打っている桜子自身が原因なのだと、おそらく彼女もわかっているはずなのだ。
 つくしからの問いかけに、桜子が唇をぐっと噛み締め、束の間逡巡したように俯き、……やがては、彼女も覚悟が決まったのだろう、目を瞑って大きく息を吐き出した。
 「わかりました。……たしかに、自分の言いたいことだけを言い捨てて、すべてを終わらせようなんて、ムシがいい話すぎましたね。あきらさんのお気が済むまでお付き合いしますよ」
 「桜子」
 「……桜子」
 顔をあげた桜子がつくしへと弱々しく微笑む。
 「すみません、先輩。そういうことですので、お付き合いくださいますか?一人だと、意気地のない私は、また逃げ出してしまうかもしれませんから」




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